2025-11-17 コメント投稿する ▼
高市首相の物価高対策「期待する」若年層77% 世代間で大きな温度差が明確に
この結果は、高市首相が掲げる「責任ある積極財政」による物価高対策が、特に現役世代や子育て世代から支持を集めていることを示しています。 高市首相が掲げる「責任ある積極財政」について、将来の財政不安を尋ねたところ、世代間で対照的な反応が見られました。 この結果は、高年層が日本の財政状況について深刻な懸念を抱いていることを示しています。
共同通信の世論調査で、高市早苗首相の物価高対策への評価について年代別に聞いたところ、若い世代ほど「期待している」との回答が多くなる傾向が明確に現れました。30代以下の若年層では77.9%が期待を示し、40代から50代の中年層が73.0%、60代以上の高年層は61.6%にとどまりました。一方で、「期待していない」は高年層が34.1%と最も多く、若年層は17.9%と大きな開きが見られました。
この結果は、高市首相が掲げる「責任ある積極財政」による物価高対策が、特に現役世代や子育て世代から支持を集めていることを示しています。若い世代は賃金上昇が限定的な中で物価高の直撃を受けており、政府の積極的な支援策への期待が高まっています。一方、高年層では将来の財政負担への懸念も根強く、世代間で政策への受け止め方に明確な違いが表れています。
支持政党別では維新支持層が91%で最高
支持政党別では、連立パートナーの日本維新の会支持層で「期待している」が91.0%と圧倒的に高く、高市政権の物価高対策への強い支持を示しました。続いて自民党支持層が81.7%、国民民主党支持層が78.0%、参政党支持層が74.4%と続いています。
公明党支持層では71.6%が期待を示しましたが、連立離脱後も一定の理解を示す結果となりました。一方、立憲民主党支持層では59.8%、無党派層は58.0%と6割弱の支持にとどまり、野党支持層や政治的な立場を決めかねている層では慎重な見方が多いことが浮き彫りになりました。
維新支持層の期待が特に高いのは、連立政権の政策合意で物価高対策が重点項目として位置づけられているためとみられます。ガソリン税の旧暫定税率廃止や電気・ガス料金への補助など、即効性のある支援策について与野党を超えた合意が形成されており、維新支持層はこれらの実現に強い期待を寄せています。
「若い人の方が物価高の影響を受けているから当然」
「給料が上がらないのに物価だけ上がって厳しい」
「高齢者は年金があるから余裕があるのでは」
「将来の借金を考えると手放しで喜べない」
「とにかく生活が楽になることを期待している」
「責任ある積極財政」への不安は高年層で顕著
高市首相が掲げる「責任ある積極財政」について、将来の財政不安を尋ねたところ、世代間で対照的な反応が見られました。「不安が増した」との回答は高年層で53.1%と過半数を占め、中年層の36.4%、若年層の21.2%を大きく上回りました。
この結果は、高年層が日本の財政状況について深刻な懸念を抱いていることを示しています。高度経済成長期から平成の長期不況を経験した高年層は、財政規律への意識が強く、積極財政による将来負担増への警戒感が根強くあります。特に年金受給世代にとっては、将来の社会保障制度への影響が直接的な関心事となっています。
一方、若年層では財政不安よりも目前の生活支援への期待が上回っています。就職氷河期やコロナ禍を経験し、実質賃金の伸び悩みに直面している世代にとって、政府の積極的な支援策は切実なニーズとなっています。特に子育て世代では教育費や住居費の負担が重く、短期的な支援策への期待が財政不安を上回る結果となっています。
政策の優先順位で見える世代間の価値観の違い
今回の調査結果は、日本社会における世代間の価値観の違いを鮮明に映し出しています。若い世代が即効性のある経済支援を重視する一方、高年層は中長期的な財政健全性を重視する傾向が明確になりました。
高市首相の物価高対策は、ガソリン税・軽油税の旧暫定税率廃止、診療報酬・介護報酬の引き上げ、電気・ガス料金への支援、中小企業支援など多岐にわたります。これらの政策は特に現役世代の家計負担軽減に直結するため、若い世代からの支持が高くなっています。
一方で、これらの政策には大規模な財政出動が伴います。2025年度補正予算案は10兆円超規模との観測もあり、財政規律を重視する高年層からは懸念の声が上がっています。経済学者の間でも「需要を増やすことになり、物価高を助長する」との指摘があり、政策効果について議論が分かれています。
高市政権が掲げる「責任ある積極財政」は、財政健全化の必要性は認めつつも、当面は物価高対策を優先する方針です。首相は「純債務残高の対GDP比を徐々に引き下げていく」考えを示していますが、短期的には財政出動を拡大する方向性を明確にしています。
この政策方針について、若年層は現実的な生活支援策として評価する一方、高年層は将来世代への負担転嫁への懸念を示しています。政治的には、有権者の多数を占める高年層の理解を得ることが政権の安定には不可欠ですが、同時に将来を担う若い世代のニーズにも応える必要があります。
高市政権にとって、この世代間の期待の違いをどうバランスさせるかが大きな課題となります。物価高対策の効果的な実施と将来の財政健全化を両立させる「責任ある積極財政」の具体的な道筋を示すことが求められています。特に、若い世代が期待する即効性のある支援策を実施しながら、高年層が懸念する財政規律をどう維持するかが、政権運営の鍵を握ることになるでしょう。