2025-10-21 コメント投稿する ▼
高市早苗首相の給与削減方針で政界二分、玉木氏「堂々ともらえ」橋下氏「評価する」
高市首相は就任会見で「総理を含む閣僚らの給与について、議員歳費を超える閣僚としての給与を受け取らない法改正に取り組む」と明言しました。 高市首相就任早々、素晴らしい方針だ」とツイッターで評価しています。 立憲民主党の石垣のりこ参院議員も同日、ツイッターで「総理が『給与を削る』と聞くと立派に見えますが、それは働く価値を自ら下げる行為です」と指摘しました。
身を切る改革への賛否
高市首相は就任会見で「総理を含む閣僚らの給与について、議員歳費を超える閣僚としての給与を受け取らない法改正に取り組む」と明言しました。現在の制度では国会議員の歳費月額129万4000円に、首相には115万2000円、閣僚には49万円がそれぞれ上乗せされています。
この方針は、連立を組む日本維新の会が掲げる「身を切る改革」を意識したものです。維新の藤田文武共同代表は「身を切る改革。高市首相就任早々、素晴らしい方針だ」とツイッターで評価しています。
「首相がしっかり給与削減してくれるなら国民も我慢できる」
「政治家が率先して身を切ってほしい」
「高市さんの決断を支持します」
「デフレ脱却のためにも必要な改革だと思う」
「維新の改革が自民にも波及してよかった」
野党からは強い反対論
一方、国民民主党の玉木雄一郎代表は11月2日にツイッターで激しく反対しました。「あれだけ働いているのだから、高市総理はしかるべき給与を堂々ともらえばいい」と首相を気遣い、「デフレマインドあふれる給与引き下げ合戦なんかしないでほしい。日本人の給料を爆上げする成長戦略に、死に物狂いで取り組んでもらいたい」と訴えました。
玉木氏の主張は、賃金削減の風潮が社会全体の賃下げ圧力につながることへの懸念から生まれています。同氏は以前から「手取りを増やす」政策を前面に打ち出しており、今回の反対表明も一貫した姿勢と言えます。
立憲民主党の石垣のりこ参院議員も同日、ツイッターで「総理が『給与を削る』と聞くと立派に見えますが、それは働く価値を自ら下げる行為です」と指摘しました。「身を切る改革」について「社会を貧しくする改革。誰かの給与を削って拍手する国に、豊かさは育ちません」と切り捨てています。
橋下氏は高く評価
こうした批判に対し、弁護士でコメンテーターの橋下徹氏は11月3日、ツイッターで「逆に僕は高市さんを評価」と反論しました。「国民の誰かが負担する歳出改革等を断行するなら国会議員がこのように自ら律する姿勢は重要。なぜならこれまで国会議員がカネにだらしな過ぎたから」と投稿しています。
橋下氏はさらに続けて、この削減が「飲み食いや金の配り合い」で形成された派閥政治への抗議と反省の意味があると評価しました。大阪府知事や大阪市長時代に行政改革を断行した経験を持つ橋下氏らしい視点と言えるでしょう。
立憲民主党の吉田晴美衆院議員も同日、「心意気を見せるなら、働く人の賃上げに向けてあらゆる政策と行動を総動員すること」とツイッターに書き込み、「いい仕事をする、そしてそれに見合った給料が払われる、総理自らそれを体現していただきたい」と要望しました。
経済政策への影響懸念
この論争の背景には、日本経済の長期的なデフレからの脱却をどう実現するかという根本的な課題があります。高市首相は2024年9月の総裁選時にも「総理大臣給与も大臣給与も廃止する」と語っており、今回の表明は公約の実現と言えます。
しかし経済専門家の間では、政治家の給与削減が民間企業の賃上げ機運に水を差す可能性を指摘する声もあります。現在の物価高は数十年にわたる経済政策の失策が原因とされており、財政出動や減税による対策が急務とされています。
木原稔官房長官は10月22日の記者会見で削減の詳細について「検討中」としており、実際の法改正のスケジュールや具体的な削減額は今後の調整にゆだねられています。
この給与削減論争は、単なる金額の問題を超えて、日本社会全体の賃金政策や経済成長戦略に対する根本的な考え方の違いを浮き彫りにしています。高市政権の経済運営の方向性を占う試金石として、今後の展開が注目されます。