2025-10-24 コメント投稿する ▼
高市早苗首相が国家情報局創設を指示、スパイ防止法と両輪で情報機能強化へ
スパイ防止法と並び、高市政権が進める安全保障強化策の要となる構想で、来年の通常国会への法案提出が視野に入っています。 2025年9月19日の記者会見では、インテリジェンス関係省庁の司令塔として国家情報局を設置する方針を明言していました。 国家情報局の創設と並行して、政府はスパイ防止法の制定にも着手する構えです。
縦割り行政の限界を突破する新組織
政府が構想する国家情報局は、現在の内閣情報調査室を大幅に改組する形で設立される予定です。現在、日本の情報機関は内閣情報調査室、警察庁公安部、外務省国際情報統括官組織、防衛省情報本部、公安調査庁の5つに分散しており、2014年に設置された国家安全保障局に必要に応じて情報提供される仕組みとなっています。しかし、一元的な指揮や集約機能が不十分との指摘が長年なされてきました。
新設される国家情報局は、国家安全保障局と同列に位置づけられ、各省庁に指示する権限が付与される方針です。現在の内閣情報官は国家情報局長に格上げされ、国家安全保障局長と同格となります。警察庁、外務省、防衛省、公安調査庁などから出向者を集め、各省庁の情報を集約する体制を整える計画で、首相と官房長官の直轄ポストとすることで官邸主導の情報活動を強化する狙いがあります。
「やっと日本もまともな情報機関ができるのか」
「省庁バラバラじゃ、外国のスパイに対抗できないよね」
「これで中国やロシアの工作活動にも対応できるようになるかも」
「情報機関の強化は国を守るために必要だと思う」
「他の先進国は当たり前にやってること、日本は遅すぎた」
高市首相の持論が政権公約に
高市氏は自民党総裁選の公約として国家情報局の設置を掲げており、インテリジェンス強化は就任前からの持論でした。2025年9月19日の記者会見では、インテリジェンス関係省庁の司令塔として国家情報局を設置する方針を明言していました。日本維新の会も同様の立場で、自民党と維新が10月20日に結んだ連立政権合意書にも創設方針が盛り込まれています。
政府は関係閣僚による国家情報会議を新設し、同局に事務局を担わせる方針です。法案は来年の通常国会への提出を視野に入れており、具体的な制度設計が急ピッチで進められています。
スパイ防止法との車の両輪
国家情報局の創設と並行して、政府はスパイ防止法の制定にも着手する構えです。現在の日本には、外国のスパイ活動そのものを包括的に取り締まる法律が存在しません。特定秘密保護法や重要経済安保情報保護活用法などはありますが、適用範囲が限定的で、諸外国では重罪とされるスパイ行為も、日本では出入国管理法違反や窃盾罪などの軽い罪でしか処罰できないのが現状です。
高市氏は自民党の治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会の会長として、スパイ防止法の導入を提言してきました。過去には1985年に国家秘密法案として国会に提出されましたが、表現の自由や知る権利への懸念から廃案となった経緯があります。しかし、近年の中国やロシアによる諜報活動の活発化、半導体など先端技術を狙う産業スパイの増加を背景に、法整備を求める声が再び高まっています。
ただし、スパイ防止法については、日本弁護士連合会が言論・表現の自由や国民の知る権利を侵害する危険性を指摘するなど、慎重論も根強く残っています。岩屋毅外相も国会で基本的人権への配慮を前提とした慎重な姿勢を示しており、法案の内容や審議過程では激しい論戦が予想されます。
国家情報局の創設とスパイ防止法の制定は、高市政権が掲げる安全保障強化策の両輪です。国際的な情報戦が激化する中、日本の情報機能をどう強化し、同時に国民の権利をどう守るか、政府の手腕が問われることになります。