2025-10-22 コメント投稿する ▼
高市首相が残業規制緩和を指示 働き方改革見直しで長時間労働懸念 健康維持が焦点
残業時間の上限は2019年施行の働き方改革関連法で定められており、見直しの時期を迎えています。 高市首相氏は「働き方改革を推進するとともに、多様な働き方を踏まえたルール整備を図ることで、安心して働くことができる環境を整備する」と指示書に書いています。 働き方改革関連法で導入された時間外労働の上限規制は、2019年4月から大企業で、2020年4月から中小企業で施行されました。
関係者によると、指示書には兼業や副業の促進、最低賃金の引き上げ加速とともに「心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和の検討を行う」と明記されました。高市首相氏は「働き方改革を推進するとともに、多様な働き方を踏まえたルール整備を図ることで、安心して働くことができる環境を整備する」と指示書に書いています。
原則は月45時間・年360時間
働き方改革関連法で導入された時間外労働の上限規制は、2019年4月から大企業で、2020年4月から中小企業で施行されました。原則として1か月に45時間、1年で360時間までしか残業できません。月45時間は1日当たり2時間程度の残業に相当します。
繁忙期など特別の事情があるときも、1か月の残業は100時間未満、複数月の平均で80時間以内に制限されています。年間では720時間以内、月45時間を超えることができるのは年6か月までとされています。
「残業規制緩和なんて働き方改革の逆行じゃないか。長時間労働に戻るのか」
「心身の健康維持が前提って言うけど、実際は経営側の都合でしょ」
「人手不足解消のために労働者に負担押し付けるだけじゃないのか」
「従業者の選択って、断れない雰囲気の中で選択させられるだけだよ」
「働き方改革で少しマシになったのに、また元に戻すつもりか」
この上限規制に違反した場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。改正前は大臣告示にとどまり行政指導のみでしたが、現在は法律違反として刑事罰の対象となっています。
働きたい改革を推進
自民党は2025年7月の参院選で「個人の意欲と能力を最大限生かせる社会を実現するため『働きたい改革』を推進。人手不足の解消に努める」との公約を掲げています。働き方改革ではなく働きたい改革という表現を使い、労働者の選択の自由を強調しています。
働き方改革関連法は施行から5年が経過し、見直しの時期を迎えています。建設業や運送業、医師などの一部業種では2024年4月から適用が始まったばかりですが、高市首相氏の指示により規制緩和の議論が進む可能性があります。
上野賢一郎厚生労働相氏は滋賀県長浜市出身で、京都大学卒業後に旧自治省に入省しました。年金制度改革法案の与野党協議や党税制調査会で実務能力を発揮してきた人物です。厚労相就任は初めてです。
規制が緩和されると、長時間労働で労働者の負担が増えるのではないかと心配する声が出ています。働き方改革の後退を懸念する意見も根強く、労働組合や野党からの反発は必至です。
一方で企業側からは、人手不足が深刻化する中で柔軟な働き方を認めるべきだとの声もあります。多様な働き方を実現するためには、一律の規制よりも労働者の選択を尊重すべきだとの主張です。
健康維持との両立が焦点
高市首相氏は指示書で心身の健康維持と従業者の選択を前提とすると明記しており、労働者保護の視点も盛り込んでいます。しかし具体的にどのような仕組みで健康を守るのか、どこまで規制を緩和するのかは明らかになっていません。
働き方改革関連法は過労死や長時間労働による健康被害を防ぐために制定された経緯があります。規制緩和が長時間労働の復活につながらないよう、慎重な議論が求められます。
今後、厚生労働省で具体的な検討が進められる見通しです。労働政策審議会などで議論され、法改正が必要な場合は国会での審議を経ることになります。労働者の健康と企業の人手不足解消という両立が困難な課題をどう調整するか、注目が集まります。
 
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
                     
                     
                     
                     
                     
                    