2025-08-19 コメント投稿する ▼
鹿児島も最低賃金1000円超へ 労使に24円の隔たり、21日に決着
鹿児島、最低賃金ついに1000円超へ
鹿児島地方最低賃金審議会は19日、最低賃金改定を議論する4回目の専門部会を開催した。経営者側は中央最低賃金審議会が示した区分目安通り「64円増」の妥当性を主張し、現行の953円から1017円への引き上げを提示。これが実現すれば、鹿児島でも最低賃金が初めて1000円を超えることになる。
64円という引き上げ幅は2002年に時給方式となって以降で過去最大であり、全国的な賃上げの流れを反映したものだ。ただし、労働者側が求める88円増(1041円)との間には24円の開きがあり、結論は次回21日の部会に持ち越された。
経営者側「人件費負担が重い」
経営者側は、賃上げの必要性自体は認めつつも「鹿児島の企業はコストに占める人件費割合が高い」と懸念を示した。県経営者協会の浜上剛一郎専務理事は「64円でもギリギリの額。急激な賃上げは非正規化や廃業を招く恐れがある」と強調し、段階的で緩やかな引き上げを求めた。
中小企業や地方の事業者にとって、人件費増は直接的な経営圧迫につながる。観光やサービス業の比率が高い鹿児島では、経済基盤の脆弱さが浮き彫りになっている。
労働者側「地域間格差の是正を」
一方で労働者側は、前回同様に88円増を主張。連合鹿児島の白石裕治副事務局長は「鹿児島は賃金水準が低く、最低賃金付近で働く人が全国と比べても多い」と述べ、地域間格差の是正を訴えた。最低賃金の上昇は生活水準の向上や若年層の流出防止につながるとし、強気の姿勢を崩していない。
「鹿児島もやっと1000円超え。遅すぎるくらいだ」
「中小企業が潰れると言うが、賃金が低すぎるのも問題」
「全国で格差が広がらないようにしてほしい」
「最低賃金上げても生活コストが追いつかない現実もある」
「緩やかにじゃなく、一気に底上げしないと人材は県外に流れる」
今後の焦点と課題
全国的には目安額を上回る引き上げが相次いでおり、鹿児島も流れに乗ることは確実視される。だが、どこまで幅を広げられるかは労使の攻防に委ねられている。最低賃金が1000円を超えた場合、地方経済にどのような影響を及ぼすのか。人材確保や地域活性化につながる期待がある一方で、中小企業への支援策や経営環境改善がなければ、負担だけが重くのしかかる懸念も残る。
石破政権は「賃上げと減税の両立」を掲げているが、地方での実効性をどう確保するかが問われる。最低賃金の上昇が「働く人の生活改善」と「地域企業の持続性」の両立につながるのか、21日の部会は重要な判断の場となる。