2026-03-15 コメント投稿する ▼
鹿児島県新総合体育館CM方式導入へ つり屋根デザイン採用で事業費500億円規模に
2026年3月13日に開催された県議会文教観光委員会で、4月上旬から事業者の公募を開始することが明らかになりました。 設計事業者についても、梓設計・SUEP・東条設計の共同企業体が最優秀提案者に選定され、2026年度内の契約締結に向けて準備が進んでいます。 その結果、梓設計・SUEP・東条設計の共同企業体が最優秀提案者に選ばれました。
CM方式とは、専門家が発注者側である県の立場に立って工程やコストなどのマネジメント業務を行う手法です。建設プロジェクトの効率化と費用削減が期待されています。県は4月上旬から事業者の公募を行い、5月下旬に事業者を選定、6月上旬から業務委託を開始する予定です。
事業費は当初の約2倍に膨張
新総合体育館の事業費は、当初最大245億円としていた基本構想から大きく膨らんでいます。2025年2月の発表時点で約313億円に増加し、その後さらに500億円近くまで増額する方針が示されました。当初構想から約2倍に膨らむという異例の事態となっています。
この事業費増加の背景には、労務費や建設費、金利の高騰があります。県は2024年4月に最大313億円で包括発注する計画で入札を公告しましたが、2グループが参加表明したものの、経費増加を理由に9月に入札辞退届を提出し不調に終わりました。
「500億円もかけて本当に必要なの」
「立派な体育館より物価高対策してほしい」
「CM方式で本当にコスト削減できるのか疑問」
「桜島と調和したデザインには期待してる」
「現体育館と武道館の土地売却で財源確保って、結局県民負担じゃないか」
県は現在の県体育館と県武道館の敷地を売却して財源に充当するほか、当初導入予定だった民間事業者に資金調達から整備・運営までを包括発注するPFI手法を取りやめ、個別発注する従来型手法への転換を検討しています。
つり屋根で結ぶ革新的デザイン
設計事業者の選定では、県が進めていた公募で2026年2月に公開プレゼンテーションが実施されました。その結果、梓設計・SUEP・東条設計の共同企業体が最優秀提案者に選ばれました。この共同企業体の提案は、2つのアリーナをつり屋根でつなげるという革新的なデザインが特徴です。
3月13日に公表された専門家で構成される委員会の審査報告書によると、最優秀提案者は100点満点中80.8点を獲得しました。2番目の事業者に10点近い大差をつけての選定となり、技術的な優秀性とデザインの独創性が高く評価された結果です。
設計業務の公募では9事業者が応募し、1次審査で5事業者に絞り込まれました。通過者はすべて複数の企業で構成される共同企業体で、そのうち4つの企業体には県内の設計事務所が含まれていました。専門家らによる審査では、桜島との調和や市街地のにぎわい創出などの観点から評価が行われました。
県と設計事業者は2026年度内に契約を締結する予定です。設計業務は4月から開始され、2028年7月まで約2年3か月にわたって実施される計画となっています。設計業務の契約上限額は約8億6000万円に設定されています。
中心市街地の拠点として期待
新総合体育館の建設地となるドルフィンポート跡地は、鹿児島市本港新町に位置し、中心市街地に近い重要な立地です。建物規模は延べ床面積約3万平方メートル、高さは30メートル以下を想定しています。
施設には8000席以上の観客席があるメインアリーナや500席程度のサブアリーナ、武道場、弓道場などが整備される予定です。全国大会が開催できるよう、フロア面積は国民スポーツ大会の施設基準などを踏まえた設計となります。
現在の県体育館は1960年に建設され、建築から60年以上が経過して施設の老朽化が問題となっていました。敷地面積は約9900平方メートルです。県武道館は1972年に建設され、敷地面積は約4600平方メートルで、こちらも老朽化が進んでいます。
県は年間で約41万人の来場を見込んでおり、来場者の行動による経済波及効果を約51億円と見込んでいます。スポーツ利用に限っても、離島を含め多くの選手や保護者、大会関係者が県内各地から集まることで、飲食や宿泊などへの波及効果や会場内外での賑わい創出が期待されています。
CM方式の導入により建設費の適正化を図りながら、つり屋根で結ばれた2つのアリーナという特徴的なデザインの実現に向けて、県は準備を進めています。県民の期待に応える質の高い総合体育館の完成が待ち望まれる中、事業費の膨張という課題を抱えながらも、今後の進展に注目が集まっています。