2025-07-12 コメント投稿する ▼
世良公則の「あんたのバラード」が大阪を揺らす 混戦極まる参院大阪選挙区、維新・自公に陰り
大阪で響いた“異色の声”
「あんたのバラード」の世良公則が、大阪選挙区でまさかの急浮上――。7月12日、大阪市JR京橋駅前に突如現れたのは、参院選に立候補中のミュージシャン・世良公則氏。予告なしの“ゲリラ演説”にもかかわらず、集まった聴衆は200人超。懐かしのヒット曲とともに、骨太な政治メッセージが大阪の空気を一変させた。
選挙カーも、のぼりも、たすきも使わず、黒Tシャツにジーンズという「いつもの自分」のままマイクを握った世良氏は、「今の大阪、今の日本、なんか違うよな」と観客に語りかける。オーバーツーリズムによる地元文化の喪失、不動産の買い占めなど、外国資本への過度な依存を問題提起し、「大阪の暮らしを守るにはルールが必要だ」と訴えた。
「ただの有名人じゃない。ちゃんと自分の言葉で話してる」
「あの“あんた”って呼びかけ、大阪人には響くよ」
「選挙のためじゃなく、自分の責任で出てきたんやなって伝わってきた」
「政治家っぽくないからこそ、信用できる感じがある」
「誰よりも“本音”を語ってる気がする」
崩れ始めた大阪の“4議席構図”
大阪選挙区はこれまで「維新2、自民1、公明1」という形で3回連続同じ顔ぶれだったが、今回は情勢が激変。維新は佐々木理江氏と岡崎太氏の2人を立て、維新代表・吉村洋文知事も全面応援に立つが、かつてのような熱気が街頭からは感じられない。聴衆の足も鈍く、ビラを受け取る人もまばらだ。
一方、維新の足元を揺るがしているのが、参政党の宮出千慧氏と比例候補・梅村みずほ氏のコンビ。梅村氏は前回参院選で維新公認として大阪選挙区トップ当選を果たした実力者だが、今回は参政党へ移籍。2人で掲げるスローガン「日本人ファースト」「日本奪還」は、かつての維新が持っていた“熱狂”を取り戻したかのような勢いを見せている。
街頭では大勢の人が足を止め、拍手や歓声が起こる。「報道で“参政党は強い”と言われているが、まだまだ全然足りない。ともに日本を守りましょう」という宮出氏の声に、確実に共感が広がっている。
与党も警戒 “自公で2議席”の神話に亀裂
自民党から出馬している柳本顕氏、公明党の現職・杉久武氏にとっても、今回は決して安泰ではない。無党派層の票が維新ではなく、参政党や無所属候補に流れているとの分析もあり、ある自民府議は「今回は無党派層の6〜7割が参政党に行ってる。正直、もう公明を気遣ってる余裕なんてない」と苦悩をにじませる。
公明党関係者も「うちが強いはずの出口調査で参政党とほとんど差がない。ここまで肉薄されるなんて完全に想定外」と語る。最後の1議席を自民と公明が奪い合う展開すら現実味を帯びてきており、与党内でも焦りと戸惑いが隠せない状況だ。
「維新はもう熱気ない。次の受け皿が見つかれば一気に崩れる」
「参政党の勢いは本物やな。周りの友だちも結構投票すると言ってる」
「自民と公明が票の取り合い?連立ってなんやねんって思う」
「こんな大阪の選挙、今まで見たことない」
「最後まで読めない。だからこそ一票が大事って感じるわ」
“異端の挑戦者”が描く新たな大阪の選択肢
世良公則氏の登場は、これまでの大阪選挙区の構図に確かな変化をもたらしている。政党の組織力でも、知名度だけでもない、「この国のあり方を変えたい」という思いが、街頭で多くの人の心を揺さぶっている。
69歳の挑戦者が、あえて政党の推薦を受けず、支援組織も持たずに「市民として」出馬した理由は、現場に立つことでようやく本格的に伝わりはじめた。
混沌とした選挙情勢のなか、大阪では今、“あんた”に語りかける政治が、かつてないほど求められている。