2025-07-03 コメント投稿する ▼
ラサール石井氏が社民党から出馬 第一声に注目集まるも政治家としての現実に課題も
ラサール石井氏が政治の第一線へ
“黙って見ていられない”69歳の挑戦
社民党から比例出馬も…現実との乖離?
応援に松尾貴史氏、思想的共鳴も課題は山積
ラサール石井氏が第一声で訴えた「黙っていられない」理由
7月3日、参議院選挙が告示され、全国の街頭に各候補者の声が響いた。中でも注目を集めたのは、社民党の比例代表として立候補したタレントのラサール石井氏(69)だ。新宿駅南口での第一声では、彼らしい演出と感情を込めた言葉が飛び出した。
「黙って見ているのはやめたんです。皆さんもあきらめる、黙っているのをやめましょう。小さな声をちょっと上げるだけでいいんです」と観衆に呼びかける石井氏。かつてのテレビスターが政治の舞台に立つ理由は「怒り」と「諦めなさ」だという。
演説の途中、「あ、来てる!」と嬉しそうに反応したのは、俳優でコメンテーターの松尾貴史氏(65)の姿を観客の中に見つけたからだった。そのまま即席でマイクを渡し、松尾氏も応援演説を行うという、まさに“舞台”のような流れに。
観衆からは拍手とともに笑顔が広がったが、そこにあるのは単なるパフォーマンスではなく、「同じ方向を見つめる者同士の連帯」という空気だった。
「反体制」を掲げるも、現実の政治にどう向き合うか
だが、ラサール氏の出馬には賛否が分かれている。X上でも、
「芸能人がまた政治に?もううんざり」
「共演者同士の応援合戦じゃ政治ごっこ」
「言ってることは正論だが、実現性が見えない」
「怒りの矛先は分かる。でも政党選びが古い」
「パフォーマンスじゃなく政策を語って」
といった声が寄せられている。
社民党という政党の限界もまた、彼の挑戦に影を落とす。かつてはリベラルの砦とされた同党も、今では国政における影響力は極めて限定的。石井氏がどれほど情熱を注いでも、与党・野党の勢力地図を動かせる可能性は低いという現実がある。
タレント候補の是非を問う選挙戦
政治の世界に飛び込むタレント候補は過去にも存在したが、その是非は今も問われ続けている。知名度を武器に票を得る一方、政策立案能力や実務への理解に乏しい例も多い。
石井氏はかつて、政権批判を繰り返すコメンテーターとして知られた。その鋭い言葉は一部の有権者の共感を得てきたが、今回の出馬は「言うだけではなく、自分が行動する」ためだという。しかしその一方で、「声を上げること」と「結果を出すこと」は別物だという冷静な目もある。
69歳という年齢もまた、政治家としての持続性に疑問を抱かせる要素のひとつだ。「次の世代」や「持続可能な社会」を語るには、当事者世代がどこまで先を見据えられるのかという視点も必要だろう。
左派票の分散、保守票の結集という構図
今選挙では、左派系の候補が乱立しており、ラサール氏のように目立つタレント候補の出馬がかえって票を分散させる恐れがある。一方、保守系勢力は「減税」「憲法改正」「安全保障の強化」など明確な政策テーマを掲げて、支持の結集を狙っている。
本来ならば減税こそが最も即効性ある経済対策であり、国民の生活を直接守る道だ。現政権は給付金をばらまくような短期対策に終始しているが、それは経済再生とは真逆の動きでもある。石井氏のような候補が仮に当選しても、「給付金の拡充」や「行政への依存」に傾けば、かえって経済の自由化や健全な税制改革の妨げとなりかねない。
政治家に求められるのは、人気や発信力ではなく、制度を変える現実的なビジョンと手腕である。