2025-06-30 コメント投稿する ▼
ラサール石井氏、参院選出馬で学歴を明言「中退ではなく除籍」 経歴詐称疑惑を否定
ラサール石井氏が参院選出馬を表明
高卒と明言、「経歴詐称はない」と強調した理由69歳の転身宣言 “黙っていられない”と決意した舞台裏
「黙って見ているのをやめた」。
7月20日投開票(7月3日告示)の参院選に、社民党の比例代表として立候補することを30日に表明したのは、俳優・タレントとして長年活動してきたラサール石井氏(69)だ。
会見の冒頭から、その言葉には迷いがなかった。「これからは発言することを一つの仕事としてやっていく」と語った石井氏は、政治の場へと舵を切った理由として「社会があまりにも生きづらくなっている」と語る。特に近年はSNS上で積極的に持論を展開しており、その内容は保守的な言論への批判や、政治家の言動への鋭い皮肉が多かった。
会見では「誰かをおとしめて、自分がはい上がろうとする世界はナチズムと同じ」とも発言。その強い表現に、共感とともに警戒感を示す声もある。
かつての“笑いの伝道師”が選挙戦という新たな舞台で何を伝えようとしているのか。表情は穏やかでも、その言葉の中には静かな怒りが感じられた。
“ラサール”芸名の由来と、問われた学歴の真実
芸名「ラサール石井」は、鹿児島の名門・ラ・サール高校の卒業生であることに由来する。会見では、記者から「芸名について混乱がある」と問われると、「母校は“ラ・サール”ですけど、私は“ラサール”。空けないで“ラサール石井”で登録しています」と、名前への思いも語った。
だが注目が集まったのは学歴に関するやりとりだった。記者から「最終学歴は早稲田大学第1文学部中退ですか?」と問われると、石井氏は「違います」と明確に否定。「私は早稲田大学に4年間通って、除籍になっています。中退と書いたことはありません」と語り、「正確に書くなら“除籍”としてください。でも、イメージが悪いからそこはぼやかして」と冗談も交えて説明した。
加えて「私は高卒です。経歴詐称はしておりません」ときっぱりと述べ、政治家への立候補にあたって経歴の透明性を意識した発言が続いた。
この姿勢には一定の誠実さを感じる一方で、「“ぼやかして”という発言自体がすでにぼやかしているのではないか」との批判も一部にはある。
経歴や発言への注目度、ネット上では賛否が交錯
SNS上では、石井氏の参院選出馬を巡ってさまざまな反応が上がっている。その多くは好意的な応援か、もしくは強い懐疑のどちらかに二極化している印象だ。
「高卒だと正直に言うのは好感持てる」
「中退ではなく除籍って…そこまで詳しく言う必要ある?」
「“ぼやかして書いて”って、出馬する人が言うことかな?」
「芸人から政治家になるのは構わないけど、過去の言動は精査されるべき」
「ラサール石井が社民党って、もう“察してくれ”って感じ」
政治活動と芸能活動の境界線が曖昧になっている昨今、知名度が高い人物の出馬は有権者への影響力も大きい。ラサール石井氏の場合、SNSでの強い言動や特定の政治的立場への偏りが指摘されており、そうした背景を踏まえたうえでの出馬には、注視が必要だろう。
政治家に求められるのは、学歴ではなく説明責任と政策実行力
学歴そのものは、有権者にとって最も重要な判断基準ではない。しかし、経歴に関する説明の仕方、誤解を与える可能性がある表現への配慮は、政治家としての信頼性を大きく左右する。
ラサール石井氏が「除籍」と正確に言った点は、形式的には誠実とも取れるが、「ぼやかしてくれ」という姿勢は、まさに“選挙用の言い回し”とも受け取られかねない。また、今回の会見では自身の政策やビジョンに関する言及がやや薄く、注目が“経歴”や“発言の過激さ”に偏った感は否めない。
社民党は近年、支持率が低迷しており、著名人の擁立により再浮上を図る狙いがあると見られる。ただし、知名度だけで票が動く時代ではない。特に現在の政治に求められているのは、「減税」「スパイ防止法の制定」「インボイス制度の廃止」など、国民の生活や安全に直結する政策に真剣に向き合える人物かどうかという視点だ。
芸能界から政界へ――。その挑戦自体を否定するつもりはない。しかし、同時に問われるのは「話題性」よりも「中身」であり、「批判」よりも「提案」だ。