2025-09-10 コメント投稿する ▼
伊勢崎賢治議員、SNSで自衛隊離島駐屯を批判 「安全保障のジレンマ」回避へ法改正を要求
伊勢崎氏は与那国島や石垣島といった離島駐屯地の視察を踏まえ、ミサイル配備や住民避難計画の不備などを列挙し、「安全保障のジレンマ」を回避するための外交・法制度の見直しを強く訴えた。 伊勢崎氏は日米地位協定の問題にも言及した。 伊勢崎氏はまた、自衛隊の地対艦ミサイルやHIMARSなどのシステムにおいて「誤射」が発生する可能性を問題視。
伊勢崎賢治議員、与那国・石垣の自衛隊駐屯を巡り「安全保障のジレンマ」を指摘
れいわ新選組の伊勢崎賢治参議院議員は、防衛省・外務省との意見交換会で提示した7つの質問通告と、それに基づく議論の内容をSNSで公表した。伊勢崎氏は与那国島や石垣島といった離島駐屯地の視察を踏まえ、ミサイル配備や住民避難計画の不備などを列挙し、「安全保障のジレンマ」を回避するための外交・法制度の見直しを強く訴えた。
とりわけ伊勢崎氏は、長射程ミサイルの配備が中国や北朝鮮、ロシアから挑発行為とみなされ、緊張を高めかねない点を指摘。東アジアにおける中長距離ミサイル制限条約の必要性を提案し、戦争の未然防止こそ現実的な行動だと訴えた。
「武器増強は抑止どころか挑発に見える」
「対話とルール作りがなければ戦争回避はできない」
日米地位協定と台湾有事のリスク
伊勢崎氏は日米地位協定の問題にも言及した。現行の協定下では、台湾有事の際に在日米軍が日本政府の許可なく出撃可能であり、その結果、日本国内の米軍基地が攻撃対象になり、日本全体が戦場となる危険性があると指摘。
さらに、カタールを例に挙げ、他国では米軍基地が自由に他国を攻撃できないよう制約を設けていることを紹介し、日本も同様の地位協定改定を行い、仮想敵国との交渉チャンネルを確保すべきだと主張した。
「米軍基地が攻撃対象になるリスクを直視せよ」
「日本は主権国家として地位協定を改定すべき」
誤射リスクと自衛隊員の法的責任
伊勢崎氏はまた、自衛隊の地対艦ミサイルやHIMARSなどのシステムにおいて「誤射」が発生する可能性を問題視。交戦時に誤射は避けられない国際的前提であり、日本には軍事裁判所が存在しないため、自衛隊員が一般刑事事件として裁かれ、個人責任を問われる恐れがあると警鐘を鳴らした。
国際人道法上の責任や法の空白に備えるため、特別裁判制度や責任の所在を明確化する議論が不可欠だと強調した。
「誤射は必ず起こる。その時の法的責任を想定していないのは危険」
「隊員個人に責任が転嫁されるのは不当だ」
家族帯同・住民避難計画の欠如
さらに伊勢崎氏は、与那国や石垣に自衛隊員を家族と共に駐屯させる政策を批判した。通常の軍事基地では脅威レベルに応じた同伴家族の避難計画があるが、日本ではその整備が不十分だとし、有事の際に隊員が家族と島民をトリアージせざるを得ない状況が生じる危険を指摘した。
また、米比共同演習で常設配備されたNMESISの事例を引き合いに出し、同様の火種を日本が抱えるリスクを警告。住民避難を含めた作戦計画の策定を政府に求めた。
「隊員の家族帯同は住民を盾にすることと同義」
「避難計画なき前方配備は住民を危険にさらす」
東アジア安全保障と法制度再構築の必要性
伊勢崎議員の一連の問題提起は、与那国・石垣などの離島防衛強化が、東アジアの安全保障環境において重大なジレンマを生んでいることを浮き彫りにした。武力による抑止ではなく、国際条約や外交交渉による安定化策が不可欠であり、国内法制度も誤射や避難計画といった現場の現実に即して再構築する必要性を訴えている。