2025-06-11 コメント投稿する ▼
自民党、大阪参院選に柳本顕氏擁立へ 維新対抗の切り札となるか
自民党、参院大阪選挙区に柳本顕氏を擁立へ 維新独走を崩す布陣なるか
自民党は6月11日、今夏の参議院選挙・大阪選挙区(改選数4)に前衆院議員の柳本顕氏(51)を擁立する方針を固めた。木原誠二選挙対策委員長が記者団に明らかにしたもので、自民が大阪選挙区に候補者を立てるのは全国で最後の決定となった。現在、大阪では日本維新の会が地盤を強める中、自民党は“反転攻勢”をかけるためのキーマンとして柳本氏に白羽の矢を立てた格好だ。
大阪で苦戦続く自民 “地元密着型”の柳本氏に再起を託す
柳本顕氏は、元衆議院議員でありながら、大阪市議を3期務めた経歴を持ち、大阪の地方政治に深く関わってきた人物である。令和3年の衆院選では比例復活で初当選したが、昨年の衆院選では立候補を見送っていた。また、過去には大阪市長選に2度出馬し、いずれも日本維新の会の候補に敗れている。
大阪の政治はここ数年、維新の強さが際立っており、特に都構想や教育・行政改革などのスローガンが都市住民に一定の支持を集めてきた。これに対し、自民党は支持基盤の再構築に苦慮しており、今回の柳本氏擁立は「地元に根差した人材を再登板させる」ことによって、維新の牙城に切り込む狙いがある。
木原誠二選対委員長は、「政策力や熱意を高く評価した」と述べ、即戦力として期待を寄せている。
太田房江氏の不出馬が背景 急ごしらえの候補擁立
本来、自民党は現職の太田房江参院議員の続投を軸に調整を進めていた。だが、太田氏が体調不良を理由に立候補を辞退したことで、大阪選挙区だけが候補者未定のまま宙に浮いた形となっていた。
党は公募を実施し、書類選考と面接を経て、柳本氏を含む候補者7人の中から最終的に柳本氏を選出。森山裕幹事長らも面接に関与しており、党を挙げた判断といえる。
とはいえ、選挙までの時間が限られる中、柳本氏にとっては“短期決戦”に挑む形となる。都市部の選挙は政策論争が重視される傾向が強く、地元の支持層の掘り起こしやメディア戦略、SNS対策などに迅速な対応が求められる。
ネットでは賛否両論 「維新に対抗できるか?」の声も
SNSでは柳本氏の擁立に関してさまざまな声が上がっている。とりわけ大阪では、維新の支持層が強固であるだけに、「対抗馬として十分か?」という厳しい見方も少なくない。
柳本さんって市長選で2回落ちた人でしょ?維新に勝てるのか心配。
地元密着型っていうけど、今の大阪で“古いタイプの政治家”が受け入れられるのかな。
自民が本気で大阪を取り戻すなら、もっと新しい人材が必要だと思う。
でも太田さんの代わりと考えると、政策通の柳本さんが妥当かもしれない。
維新の一人勝ちを止めるためには、自民にも頑張ってほしい。接戦を期待したい。
こうした反応は、柳本氏に対する期待と不安が入り混じっていることを象徴しており、今後の選挙戦でのパフォーマンスが問われることになる。
維新独走の大阪で「保守復権」なるか
大阪での自民党の選挙戦は、長らく維新の壁に苦しめられてきた。都構想否決後も維新の勢いは止まらず、都市政策や財政改革を武器に府民・市民の信任を集めている。一方、自民は“既得権益側”とのイメージから脱却できず、苦戦を強いられてきた。
柳本顕氏の擁立は、そうした現状に一石を投じる布陣として位置づけられる。地元に根差した経験と政策力を武器に、維新との真正面からの政策対決を挑むことで、都市型選挙のあり方を変える可能性を秘めている。
選挙までの時間は短いが、自民党が「大阪奪還」へ本気で臨むのか、それとも“当て馬”に終わるのか、今後の選挙戦で明らかになるだろう。