2025-04-11 コメント投稿する ▼
大阪万博を契機に人権啓発 大阪府が1,630万円を投入
府の説明によれば、人権とは「すべての人が生まれながらに持つ、幸せに生きるための権利」。しかし現実には、差別や偏見、無理解など、身近なところに多くの人権課題が残っている。そうした課題を可視化し、多くの人に意識してもらうため、大阪万博の開催期間中にさまざまな啓発イベントを展開する。
事業の中身は?
府が募集した委託事業には、以下のような内容が盛り込まれていた。
- 人権や多様性をテーマにしたイベントの企画と実施
- 啓発用の動画制作と、会場やSNS等での発信
- 外国人観光客を含め、多言語対応など参加しやすい仕掛けづくり
- パフォーマンスや展示を通じた発信
- 広報戦略の立案から、当日の運営・警備、終了後の後片付けまでを一括で請け負うプロデュース業務
加えて、「人権」「平和」「多様性」をテーマにした複数のパフォーマンスイベントを行うことや、誰でも参加できるようにバリアフリーやインクルーシブな設計も求められた。
受託者は共同企業体に決定
この委託事業には、2つの応募があった。ひとつは「株式会社シムディレクト」、もうひとつは「アクセスネクステージ」「トーガシ」「アシスト・ジャパン」の3社による共同企業体だ。審査の結果、後者が選定され、提案金額は1,630万3,100円となった。
人権×万博の意義
世界中から注目が集まる万博の場を利用して、人権意識の向上を図るというのは、大阪府にとって挑戦的な取り組みとも言える。過去の博覧会でも、多様性や共生社会をテーマにした展示や催しはあったが、「人権」にここまでフォーカスした事業は珍しい。
また、海外からの来場者も見込まれる中、多言語や文化的配慮をどう盛り込むかも、実際の運営では問われることになりそうだ。
今後の展望
この事業を通じて、大阪府がどれだけ実効性のあるメッセージを発信できるか。企画だけで終わらせず、参加者に“気づき”を与え、行動につなげられるかが問われる。
今後は具体的なイベント内容やスケジュールが順次発表される見込みで、万博の盛り上がりとあわせて、どれだけ府民や来場者の心に届く活動になるかが注目される。