2025-10-08 コメント投稿する ▼
滋賀県知事がドクターヘリ支援を防衛相に要請 整備士不足で運航停止、自衛隊派遣に期待高まる
関西広域連合のドクターヘリ運航が整備士不足により休止している問題で、滋賀県の三日月大造知事(関西広域連合長)は8日、防衛相の中谷元氏に対して人材支援を正式に要請した。 ドクターヘリは、交通事故や急病などの救急搬送に欠かせない存在であり、特に地方では命を救う「空の救急車」として機能している。 ドクターヘリの運航には、操縦士のほか整備士が常時同乗し、点検や緊急対応を行うことが義務付けられている。
滋賀県知事が防衛相にドクターヘリ支援要請 整備士不足で運航停止、自衛隊派遣に期待
関西広域連合のドクターヘリ運航が整備士不足により休止している問題で、滋賀県の三日月大造知事(関西広域連合長)は8日、防衛相の中谷元氏に対して人材支援を正式に要請した。三日月氏は「自衛隊員や退官者の知識と技術を医療現場の安全確保に生かしてほしい」と訴えた。中谷氏は「自衛隊としてどのような支援が可能か検討したい」と応じた。
今回の要望は、民間事業者である学校法人ヒラタ学園(堺市)が運航を担うドクターヘリで、整備士の退職や休職が相次いだことにより、関西一円で運航が停止していることを受けたもの。関西広域連合が委託する8機のうち、大阪・和歌山・兵庫など1府6県の複数拠点で、操縦士の補佐を務める整備士が不足している。
医療体制に広がる影響
ドクターヘリは、交通事故や急病などの救急搬送に欠かせない存在であり、特に地方では命を救う「空の救急車」として機能している。滋賀県内でも、琵琶湖周辺の山間部や交通の不便な地域では、ドクターヘリが唯一の救命手段となるケースも多い。
「救急車が30分かかる場所でも、ドクターヘリなら10分で着く。止まっているのは本当に不安」
「整備士がいないという理由で命が救えないなんて、納得できない」
「自衛隊が持つ航空技術を活用するのは理にかなっている」
「民間企業任せでは限界。国が責任を持って支援すべきだ」
「自衛隊の派遣で現場が救われるなら、迷う理由はない」
こうした声が県民や医療関係者の間で広がっており、行政の対応の遅れに苛立ちを感じる人も多い。
整備士不足は全国的課題
ドクターヘリの運航には、操縦士のほか整備士が常時同乗し、点検や緊急対応を行うことが義務付けられている。しかし、航空整備士の資格を持つ人材は全国的に不足しており、高齢化や待遇の低下も重なって確保が難航している。
専門家は「整備士は国家資格を持ち、長年の経験が必要。短期的な養成は困難であり、退職者の再雇用や自衛隊経験者の受け入れが現実的」と指摘する。
実際、自衛隊出身の航空機整備士は高い技術力を持ち、災害時や緊急出動での経験も豊富だ。三日月氏が中谷防衛相に人材派遣を要請したのは、こうした背景からだ。
「命を守るための連携」こそ政治の責任
中谷氏は会談後、記者団に対し「防衛省としても地域の安全保障は重要。医療と防衛の連携が地域を支える力になる」と述べた。
この発言に対し、県内の救急医からは「ようやく現実的な対応が始まった」と歓迎の声が上がる一方、「制度の壁を越えた恒久的な仕組みづくりが必要」との意見もある。
医療と防衛を分けて考える時代は終わりつつある。自衛隊は災害時だけでなく、平時においても地域社会の一員として支援にあたるべき存在だ。
整備士不足を「民間の問題」として片づけるのではなく、国として命を守る体制を構築することが求められている。
人材軽視の政治を変える時
ヒラタ学園の整備士不足は、単なる民間企業の人員問題ではない。長年続く「人件費削減」や「即戦力重視」の政策が、医療や航空といった基幹分野にまで影響を及ぼしている。
人材を軽視する政治が続く限り、ドクターヘリも、地方の医療現場も維持できない。防衛省が関わることで、ようやく国が責任を持つ体制が整う可能性がある。
三日月氏の要請は、地方から国へ「人命を守る政治を取り戻せ」という強いメッセージだ。中谷防衛相がどこまで応えるのか、今後の行動が注目される。