2025-06-10 コメント投稿する ▼
角野なすか氏、宮城から参院選出馬 “当たり前”を技術で実現する政治へ挑む
政治の現場に技術者が立つ意味とは
6月10日、新党「チームみらい」は参議院選挙・宮城県選挙区における公認候補予定者として、AIエンジニアの角野なすか氏を発表した。記者会見では、党首・安野たかひろ氏が「政治にテクノロジーの力を直接持ち込む人材」として角野氏を紹介。都知事選から続く党の技術支援をリードしてきた開発者としての実績を強調した。
角野氏は、黒川郡大和町出身。仙台高専から東大工学部へ編入し、大学院では情報学を専攻。リクルートやAIスタートアップで実務を積み、現在は起業家としても活動している。政治との接点は長らくなかったが、安野氏の都知事選での支援をきっかけに、X(旧Twitter)投稿をAIで分析する「ブロードリスニング」などの政治的技術導入を手がけるようになった。
「技術者が政治を変えようとする姿勢、本当に時代が動き出してる」
「“政治に技術を”って本気で言ってる人、やっと出てきた感じがする」
“生活の不便さ”に潜む政治の課題
角野氏は今回の出馬について、「技術でデジタル時代の“当たり前”を実現したい」という明確な動機を語った。
「風邪で病院に行く。役所で紙を出す。たったそれだけのことが未だに非効率。AIは1年で性能が倍、コストは1/10になるのに、私たちの生活は変わっていない」
この“ギャップ”に強い危機感を抱き、テクノロジーを社会に浸透させる制度設計が必要だと訴える。「日本では技術の社会実装が遅れ、生活の基本さえままならない。これを変えるのが、これからの政治の使命です」と語気を強めた。
また、「人口減少と高齢化が進む宮城でも、技術なくして未来は描けない」とし、テクノロジーこそが地方再生・国の持続可能性を支える鍵だと訴える。
「“AIがすごい”じゃなくて、“生活が良くなる”って言ってくれる政治家、初めて見た」
「角野さんの言葉がすごく地に足がついてる。応援したい」
“当たり前”を当たり前にするために政治がある
角野氏は、「政治とは、本来、当たり前のことを当たり前に実現する仕組みであるべき」と繰り返し強調した。医療、教育、行政手続き、すべてにおいて“できるのに、やれていない”状態が続いているという認識に立ち、チームみらいの政策を支える技術面でのリーダーシップを発揮していく意向を示した。
具体的には、以下のような施策を掲げる。
* オンライン診療や電子行政の全面推進
* AIを活用した政策評価・論点整理ツールの導入
* 地域の行政サービスにおける業務効率化の支援
* テクノロジー教育と情報格差の是正
これらの施策は、単なるIT推進ではなく、「制度と技術の接続」に主眼を置いている。「社会実装が進まなければ、技術は絵に描いた餅。その最後の一歩を政治でやる」と角野氏は言う。
宮城から、国政へ。“未来は手の中にある”
角野氏が強調するのは、技術の利活用が“遠い未来”ではなく“今できること”であるということだ。
「今の日本には希望が持ちにくい。でも、それは変えられる。技術を社会に根付かせるだけで、生活はもっと便利になる。働き方も、暮らし方も、もっと自由に、もっと楽しくなる」
自身の原点である宮城からスタートし、「地方でも技術で未来を切り拓ける」という証明を国政で成し遂げたいと語った。
チームみらいの掲げる“分断ではなく共創”“エンジニアの手で政治に風穴を開ける”というビジョンを最も体現する候補者のひとりとして、角野氏の挑戦は注目されている。
今後の選挙戦では、生活実感に根ざしたテクノロジー政策がどこまで有権者の共感を呼ぶかが焦点となる。