2025-06-11 コメント: 1件 ▼
チームみらい、北海道に稲原むねよし氏擁立 AI技術で人手不足とエネルギー問題の解決を目指す
AI研究者から政治の現場へ 稲原氏が北海道で挑戦
6月11日、新党「チームみらい」は、参議院選挙の北海道選挙区公認候補予定者としてAIエンジニア・稲原むねよし氏を発表した。東京大学工学部を卒業後、日本IBMを経てAI開発やLLM(大規模言語モデル)の研究を手がける技術者であり、今回初めて国政に挑む。
記者会見では、党首の安野たかひろ氏が「稲原氏は“まず手を動かす”というチームみらいの理念を体現する存在」と評価。実際に党の政策開発では「いどばたシステム」や「AIあんの」といったプロダクト開発にも貢献してきた。
登壇した稲原氏は「私は一介のエンジニアに過ぎない」と語りながらも、「だからこそ、最先端技術の力を政治の場で説明し、社会課題に応用できる」と意気込みを見せた。特に北海道の可能性に触れ、「技術でこの地の課題を乗り越え、豊かさを生み出すモデルケースにしたい」と語った。
「現場の技術を知ってる人が政治に立つって、本当に待ってた流れ」
「北海道を未来型モデル地域にする発想、めっちゃ面白い」
人手不足とエネルギー問題をAIと技術で突破
稲原氏が訴えるのは、AI技術による労働力不足の補完と、科学技術に基づいたエネルギー政策の推進だ。
「高齢化により労働力が減り、日本の高齢者依存率はすでに50%を超えました。さらに、エネルギー不足は産業空洞化と賃金停滞を引き起こしている。これを打破するには技術しかありません」
北海道はスマート農業の普及率が全国1位という実績があり、また大樹町の宇宙港や千歳の半導体集積地、苫小牧・石狩のデータセンター群など、最先端の産業が次々と誕生している。こうした“芽”を確かな産業に育てていくには、「人材」ではなく「テクノロジー」が鍵になると稲原氏は訴える。
「技術者だから言える『現場の効率化』、これが政策の本来の出発点」
「データセンターと農業、宇宙と食料って並べ方が未来っぽくてわくわくした」
北海道の“未来可能性”を全国のモデルに
稲原氏は、北海道におけるテクノロジー導入の先進事例を挙げ、「ここで未来の地域モデルを築くことで、日本全体の再生にも貢献できる」と述べた。
実際、北海道は全国で最も人口密度が低く、高齢化と人手不足が深刻な地域でありながら、広大な農地や自然エネルギー資源、そして最新産業の種が数多く存在する。この“矛盾”を技術で乗り越えれば、それは他の地方にも応用できる。
稲原氏は「再生可能エネルギーの活用、泊原発の再稼働、風力や水力の効率的運用によって電力供給を安定させ、データセンターなどの産業需要にも応えていく」と力強く語った。
「地方再生の具体策ってこういうことだよね。“なんとなくIT”じゃなくて、産業と結びついてる」
“科学と政治”の接続が未来を拓く
稲原氏は「チームみらいは、科学と政治をつなぐ政党です」と明言。「ブロードリスニング」と呼ばれる国民対話システムを通じて現場の声を拾い、科学的エビデンスに基づいた政策立案を進めていくと語った。
「何を効率化し、何を自動化するかは現場の声がなければわからない。だからこそ、私は現場の声と技術の接点に立ちたい。北海道からその挑戦を始めたい」
その語り口は、情熱的でありながら、あくまで論理に根ざしているのが特徴的だった。現場での経験と理論が融合した稲原氏のスタイルは、従来の政治家像とは一線を画す。
「“科学と政治を接続する”っていう言葉、これからの時代のキーワードになると思う」
北海道から始まる技術立国ニッポンの再構築
最後に稲原氏は、「北海道には、未来の日本を先取りする要素が揃っている。ここで成功モデルを作り、それを全国へ展開したい」と述べた。
失われた30年を取り戻すために、科学と技術に投資すること。人材不足やエネルギー難に対し、感情論やバラマキではなく、冷静な戦略とデータに基づいた改革を行うこと。
それこそが、今の政治に欠けている視点であり、チームみらいが掲げる「政治に風穴を開ける」試みの本質でもある。
今後の選挙戦で、エンジニアとしての知見と実行力がどこまで共感を得られるか。北海道から始まる「技術で国を変える」挑戦が、いま幕を開けた。