2026-02-22 コメント投稿する ▼
田久保前伊東市長の卒業証書は永久に闇の中か、家宅捜索でも発見できず代理人弁護士が押収拒絶権主張
静岡県警が2026年2月14日、静岡県伊東市の前市長・田久保眞紀氏の自宅を家宅捜索しました。東洋大学法学部卒業と自称していたが実際には除籍されていたという学歴詐称疑惑で、虚偽事項公表罪、有印私文書偽造罪などで告発されている事件です。しかし決定的な証拠となる東洋大学の卒業証書は、家宅捜索でも発見できませんでした。代理人弁護士が事務所で保管しているとされ、押収拒絶権を主張しています。この卒業証書は永久に闇の中に葬られる可能性が出てきました。
押収拒絶権は法的に認められる
刑事訴訟法は、弁護士は業務上委託を受けて保管している物で他人の秘密に関するものについては、押収を拒むことができると定めています(刑事訴訟法222条1項・105条本文)。
刑事弁護の専門家である岡本裕明弁護士(弁護士法人ダーウィン法律事務所共同代表)は、田久保氏の代理人弁護士は、押収拒絶権を行使し、卒業証書の引き渡しを拒めると解するほかないと説明しています。
被疑者である田久保氏が秘密の主体である場合には、権利の濫用とは認められず、押収拒絶権の行使が認められるということです。本件では田久保氏が秘密の主体であることに疑いがないため、押収拒絶権が認められます。
「弁護士に預けたら押収拒絶できるって、穴があるよね」
「法律上は認められても、道義的にはどうなんだろう」
「卒業証書が本当にあるなら、堂々と出せばいいのに」
「証拠隠滅を合法的にできるって、おかしくない?」
「弁護士も板挟みだな。守秘義務と社会正義の間で」
被疑者自身の証拠隠滅は処罰されない
岡本弁護士は、被疑者自身による証拠隠滅行為が刑法で処罰されないこととの整合性から、やむを得ないと説明しています。証拠隠滅罪は他人の刑事事件に関する証拠の隠滅行為のみを対象としています(刑法104条)。
したがって、被疑者が隠滅することさえ許される証拠について、弁護士がその押収を拒絶できるのは当然だという論理は、筋が通っているということです。
学界でも実務上も、この問題は議論されています。刑事訴訟法のコンメンタール(逐条解説書)には、立法論としては相当の疑問があるとの指摘がなされています。しかし現行法の解釈としては、押収拒絶権が認められざるを得ないのです。
弁護士は押収拒絶権を行使するしかない
岡本弁護士は、弁護士が押収拒絶権を行使せず捜査機関の求めに応じて証拠を引き渡すことのほうが、懲戒の対象となり得ると指摘しています。
弁護士は、いったん受任した以上、依頼者の利益のために行動することが求められ、かつ、守秘義務を負っている立場です。したがって、弁護士は、被疑者の意思に反して証拠物を捜査機関に引き渡せば、自身の任務に違反することになります。
押収拒絶権を行使する以外の選択肢は考えられないでしょう。本件でも、田久保氏の代理人弁護士は、立場上、押収拒絶権を行使するほかないといえます。
卒業証書は永久に出てこない可能性
田久保氏の卒業証書を代理人弁護士が預かっており、かつ、押収拒絶権を行使し続けることが認められるとなれば、直接の物的証拠である卒業証書は永久に出てこないことになり得ます。
今後、捜査がどのように進展すると予測されるか。岡本弁護士は、捜査機関としては、たとえば、東洋大学が田久保氏への卒業証書を発行していないとコメントを出していることなど、状況証拠を積み上げて起訴・不起訴の判断を行うことになると説明しています。
一般論として、直接の物的証拠がなく、被疑者・被告人が被疑事実を否認しても、他の証拠を積み上げることで、有罪となった事例は数多くあります。
学歴詐称疑惑で2回不信任決議
田久保氏は、東洋大学法学部卒業と自称していたが実際には除籍されていたことが明らかになり、市議会から2回にわたり不信任決議を受け失職しました。2025年12月の出直し選挙に再出馬するも落選しています。
警察は田久保氏に、決定的な証拠であり同氏が所持しているという東洋大学の卒業証書の提出を求めてきました。しかし田久保氏は拒否し続けてきました。
2月14日の田久保氏宅の捜索でも卒業証書は見つかっておらず、代理人弁護士が事務所で保管しているとされます。そして代理人弁護士は押収拒絶権を主張し、同権利について日本の弁護士で一番研究していると述べています。
被疑者の人権と真実解明のジレンマ
岡本弁護士は、今なお、捜査機関が証拠捏造等を行い冤罪が生まれているという厳然たる実態がある中で、被疑者・被告人の人権を守る刑事訴訟法の諸規定の役割は極めて重要であると指摘しています。
刑事訴訟法105条が定める弁護士の押収拒絶権は、それがシビアな形で現れる場面の一つであるといえます。被疑者の人権保護と真実解明のバランスは、常に難しい問題です。
他方で、卒業証書が出てくることが期待できない状況の下、捜査機関がどのような立証活動を行っていくことになるのか。そして本件はどのような形での結末を迎えることになるのか、今後の進展が注目されます。
状況証拠での立証は可能か
東洋大学が田久保氏への卒業証書を発行していないとコメントを出していることは、重要な状況証拠です。大学側の記録を精査すれば、卒業の事実がないことを立証できる可能性があります。
また、田久保氏が卒業証書の提出を一貫して拒否し続けていること自体も、状況証拠の一つとなり得ます。本当に卒業しているなら、堂々と証書を提出すればよいはずです。
ただし、状況証拠だけでの有罪立証は、直接証拠がある場合に比べて困難です。合理的な疑いを超えて有罪を立証する必要があり、弁護側が反論の余地を残す可能性もあります。
押収拒絶権という制度が、被疑者の人権保護のために必要である一方、真実解明を妨げる側面もあることを、この事件は浮き彫りにしています。
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