2026-03-04 コメント投稿する ▼
組合費給与天引き廃止求める署名活動、行政の政治的中立性守るため
自治体職員の組合費を給与から自動的に天引きするチェックオフ制度について、「行政の政治的中立性を損なう」として廃止を求める署名活動が始まりました。 チェックオフとは、自治体が給与システムという公的な事務を使って、職員団体の会費を一括徴収し送金する仕組みです。
チェックオフとは、自治体が給与システムという公的な事務を使って、職員団体の会費を一括徴収し送金する仕組みです。厚生労働省の調査によると、全労働組合の91パーセントで組合費のチェックオフが行われており、広く普及しています。
行政の公的システムで特定団体を支援
署名活動の呼びかけでは、チェックオフについて「自治体が給与システムという公的な事務を使って、特定団体の会費を一括徴収・送金する仕組み」と指摘しています。これは団体側が本来負担すべき集金・振込等の事務負担を自治体が肩代わりしている構造であり、住民から見れば「特定団体への便宜供与」と受け取られる余地があるとしています。
さらに、組合費の一部が上部団体等を通じて政治的活動に充てられているとの指摘や報告もあり、この仕組みは住民から見て「行政の給与支給事務を通じて政治活動に資金が流れている」ように映りかねないと主張しています。
「いつの間にか給与から引かれている、おかしいのでは」
「公務員の組合費が政治活動に使われるのは中立性に反する」
「特定政党を支援する組織に自治体が便宜を図るのは問題だ」
大阪市では2013年に完全廃止
チェックオフの廃止を巡っては、大阪市で先行事例があります。2008年3月、大阪市議会は自民党の提案により「チェック・オフ制度を廃止する条例」を可決しました。大阪市の不祥事をめぐって、大阪市と大阪市労連の癒着に対する批判が高まったことが背景にありました。
当初は非現業職員のみが対象でしたが、2012年に当時の橋下徹大阪市長が現業職員に対してもチェックオフ廃止を通告し、2013年より完全廃止となりました。
署名活動では、全国の自治体に対して次の措置を求めています。組合費チェックオフの廃止、組合費は任意納付へ移行、労働組合への加入・非加入・脱退の自由の徹底、移行手続の透明化と住民への説明責任の4点です。
労働組合の団結権を否定するものではない
この署名について、呼びかけ文では「労働組合や職員の団結権を否定するものではない」と強調しています。求めているのは、自治体の公的システムを使った天引きという特別扱いをやめ、住民から疑念を持たれない中立な形に戻すことだとしています。
組合費の徴収方法については、組合は組合自身の責任で徴収業務を行い、職員は自らの意思で支払う方式への移行を提案しています。口座振替や振込など、一般的な会費徴収の方式に変更することで、行政の政治的中立性を守ることができるとの主張です。
「組合の存続を否定しているわけではない」
「徴収方法を変えるだけで中立性は守れる」
加入は任意だが脱退しにくい実態も
労働組合への加入・非加入は完全に任意で、職員一人ひとりの自由意思が最大限尊重されなければなりません。しかし、加入・脱退・活動参加をめぐり、自由意思が十分に反映されないと疑われる事例も報告されています。
給与天引きという仕組みが残る限り、「いつの間にか引かれている」「やめにくい」といった心理的・実務的ハードルも生まれやすくなります。最高裁判所は、組合員がチェックオフの中止を申し入れた場合、使用者はこれを中止しなければならないとの判断を示していますが、実際には脱退の意思表示がしにくい環境があるとの指摘もあります。
自治労などの職員団体は、連合傘下の主要組合として立憲民主党などに組織内国会議員を輩出しています。組合費の一部が政治活動に使われることについて、住民の中には行政の中立性への疑念を抱く声もあります。