2025-04-24 コメント投稿する ▼
須藤元気氏の“反ワク”発言が波紋 国民民主の擁立方針に医療関係者からも怒りの声
元格闘家・須藤氏、再び政界へ
国民民主党が2025年夏の参議院選挙に向けて、元参院議員の須藤元気氏を比例代表候補として擁立する方針で調整に入った。須藤氏は総合格闘家としての華々しい経歴に加え、音楽ユニット「WORLD ORDER」のメンバーとしても知られ、2019年には立憲民主党から出馬して初当選。だが、2020年に都知事選を巡る党方針に反発し離党。その後は無所属として活動してきた。
2024年には衆議院東京15区補欠選挙に出馬し約3万票を獲得するも次点で落選。同年10月の衆院選でもわずか1125票差で再び議席を逃した。
物議を醸すワクチン発言の数々
須藤氏の再出馬報道がSNS上で注目を集めたのは、その過去の発言によるものだ。新型コロナウイルスに関するワクチン接種やマスク着用の政府方針に一貫して懐疑的な態度を示しており、2022年には「日本も出口戦略を考えなければいけませんが、政府はまだマスクとワクチンを推進するんでしょうか?」と投稿。2023年10月には「世界中でストップしたワクチン接種をわが国だけが続けていると言う異常事態」とも主張している。
さらに2024年9月には、「死亡事例や健康被害が確認されているのに、なぜリスクを冒してまで政府はワクチン接種を推奨し続けるのでしょうか」とし、2025年4月にも接種後の健康被害に関する報道を引用して「接種継続には疑問を感じざるを得ません」と述べた。
党方針との乖離、医療関係者から批判
このような須藤氏の発言は、国民民主党のこれまでの感染症対策政策と明らかに齟齬をきたしている。党は2022年1月、「ワクチンの効力を科学的に検証しつつ、速やかな3回目接種の推進、副反応の検証と情報発信の強化」を政府に求めていた。つまり、ワクチン推進が党の基本姿勢であり、反ワクチン的発言を繰り返してきた須藤氏の擁立は、党の政策と食い違っているとの指摘が党内外から出ている。
「医療を語る資格なし」医師から怒りの声
特に医療関係者からは強い反発がある。2022年の参院選で国民民主党から比例代表で出馬し落選した医師の上松正和氏は、「国民民主は二度と医療や医療費の話をするな。人の命とか口が裂けても言うなよ」とSNS上で怒りを表明。過去に党と共に戦った候補者からも擁立に異を唱える声が上がっており、党内調整への影響も避けられない状況だ。
今後の展望と課題
須藤氏は政治家としてもパフォーマーとしても高い知名度を持つが、今回の擁立は国民民主党の一貫した政策姿勢と候補者選定基準の整合性に疑問を投げかけている。今後、党としてどのように説明責任を果たすのか、また党内外の批判にどう応えるのかが注目される。