2025-09-09 コメント投稿する ▼
奈良・富雄丸山古墳の鏡とウズベキスタン出土品 シルクロード文化交流展で並ぶ
奈良市の富雄丸山古墳で昨年発見された3枚の青銅鏡のうち、最も古い時代に作られたとされる「※き龍文鏡」と同じ種類の鏡が、中央アジアのウズベキスタンでも出土していたことが明らかになった。 奈良市は再来年(2027年)、奈良国立博物館で予定されているサマルカンド市との特別交流展で、両地域の鏡を並べて公開する方針を示した。
奈良・富雄丸山古墳の鏡とウズベキスタン出土品 国際展示へ
奈良市の富雄丸山古墳で昨年発見された3枚の青銅鏡のうち、最も古い時代に作られたとされる「※き龍文鏡」と同じ種類の鏡が、中央アジアのウズベキスタンでも出土していたことが明らかになった。奈良市は再来年(2027年)、奈良国立博物館で予定されているサマルカンド市との特別交流展で、両地域の鏡を並べて公開する方針を示した。
「シルクロードを通じた古代交流の証拠だ」
「奈良と中央アジアがつながっていたのは驚き」
「国宝級の資料が一堂に見られるのは貴重」
「展示にふるさと納税を活用するのは良い試み」
「歴史好きにはたまらない展覧会になりそう」
富雄丸山古墳の発見と鏡の特徴
富雄丸山古墳は4世紀後半に築造されたとされる国内最大の円形古墳で、昨年の調査で3枚の鏡が出土した。その中でも「※き龍文鏡」と呼ばれる1枚は、紀元前後に中国で制作されたと推定されている。直径は19センチ余りと国内最大級の規模を誇り、発見当初から学術的な注目を集めていた。
奈良市によると、この鏡とほぼ同じ大きさ・文様を持つ「※き龍文鏡」が、ウズベキスタン・サマルカンド州の紀元前1世紀ごろの墓からも見つかっている。現地では国宝級の文化財として博物館に保管されており、今回の調査で両者が同系統の遺物であることが確認された。
シルクロードと文化交流の象徴
今回の発見は、古代の奈良と中央アジアがシルクロードを通じて文化的に結びついていた可能性を示すものとして注目される。奈良市観光戦略課の村瀬陸学芸員は「シルクロードで結ばれている奈良とウズベキスタンの文化交流の象徴になってほしい」と語り、歴史的意義の大きさを強調した。
シルクロードを介した東西交流は絹や香辛料に限らず、工芸品や思想にも及んでいたとされる。今回の「※き龍文鏡」の共通性は、その証左となり得る。学術界でも「中央アジアを経由して中国製品が日本列島に伝わった可能性」を検証する新たな材料になるとみられている。
展示会と資金調達の取り組み
奈良市は2027年に奈良国立博物館で開催予定の特別交流展において、富雄丸山古墳の鏡とサマルカンド出土の鏡を並べて展示する。市はこの企画に約1000万円の追加費用が必要になるとして、9月末までふるさと納税を活用した支援を呼びかけている。
歴史的価値の高い文化財を国際的に公開することで、観光振興にもつながると期待されている。奈良市は「世界遺産の街」としての魅力をさらに発信し、国際交流を強化する狙いもある。
古代の鏡がつなぐ奈良と中央アジアの未来
富雄丸山古墳とサマルカンドの鏡は、2000年以上前の文化交流を現代に伝える象徴だ。両地域で発見された同型の鏡が並ぶ展示は、学術的な発見にとどまらず、観光や国際交流の分野でも大きな効果を持つだろう。
古代の遺物が現代の交流を深めるきっかけとなることは、歴史が未来へと息づくことを示している。奈良と中央アジアを結ぶ文化の架け橋として、この展示は大きな注目を集めるに違いない。
※き 左が「兀」右が「虫」