2025-12-08 コメント: 1件 ▼
パブコメSNS告知率4%の衝撃 山田太郎議員調査で判明した各省庁の無責任体制
この数値は、95%以上のパブコメが若年層の主要な情報源であるSNSでは告知されていないことを意味しています。 この無責任体制の結果、パブコメ制度を所管する総務省ですら、2024年度のパブコメ総数146件に対してSNSで告知されたのはわずか2件で告知率1.37%という惨憺たる状況です。
パブコメのSNS告知はわずか4%
国民の声が届かない制度の深刻な実態
政府の政策決定に国民の声を反映させるために設けられたパブリックコメント制度が、深刻な機能不全に陥っています。山田太郎参議院議員の事務所が各府省庁に実施した調査によると、全府省庁のパブコメのSNS告知率は2024年度で3.98%、2025年度は4.17%にとどまっていることが判明しました。この数値は、95%以上のパブコメが若年層の主要な情報源であるSNSでは告知されていないことを意味しています。
問題の背景:「担当者まかせ」の無責任体制
今回の調査で最も深刻な問題として浮き彫りになったのは、パブコメのSNS告知に関する統一基準の完全な欠如です。金融庁を除く全ての省庁が「判断基準は設けていない」「担当課の判断に委ねられている」と回答しており、国民への情報提供という最も基本的な責務が担当者個人の意識に左右される属人的システムとなっています。
この無責任体制の結果、パブコメ制度を所管する総務省ですら、2024年度のパブコメ総数146件に対してSNSで告知されたのはわずか2件で告知率1.37%という惨憺たる状況です。防衛省にいたっては2008年のSNSアカウント運用開始以来、15年以上にわたって一度もパブコメを告知していません。国民の安全保障に関わる重要政策を扱う省庁が、これほど情報発信に消極的である事実は看過できません。
一方で、金融庁は2024年7月以降、全てのパブコメをSNSで告知する運用方針に転換し、公正取引委員会も28件中7件で告知率25%を達成しています。この数値は、やろうと思えばできるという証左に他なりません。
「パブコメの存在すら知らなかった。もっと身近に感じられるはず」
「若者の意見が政治に反映されないのは、情報が届いていないから」
「SNSでの告知は最低限の責任だと思う」
「政策に関心があっても、どこで意見を言えばいいかわからない」
「各省庁のアカウントをフォローしているのに、なぜ告知しないのか」
若年層の政治参加を阻む構造的問題
この問題は単なる広報の怠慢ではありません。若年層の政治参加という民主主義の根幹に関わる深刻な課題です。総務省の調査によると、2024年10月の衆議院選挙における10代の投票率は39.43%、20代は34.62%と全世代平均の53.85%を大きく下回っています。
若年層の投票率低下と同様に、パブコメ制度からも若年層が事実上排除されている現状があります。SNSが若年層の主要な情報源となっている現代において、SNSでの告知を行わないということは、意図的に若年層を政策決定プロセスから排除することに等しいのです。
各省庁の個別状況:模範例と問題例
デジタル庁のケースは特に象徴的です。デジタル化推進の旗振り役でありながら、「現時点で行っているパブリックコメントに関する周知策はございません」と回答し、SNS運用開始から現在まででパブコメ告知はたった1件のみという有様です。
文部科学省やこども家庭庁といった、若年層や子育て世代に直接関わる省庁でさえ、明確な告知基準を持たず「担当課の判断」に委ねています。こども家庭庁が手がける「こどもの自殺が起きたときの背景調査指針のパブコメ」のような重要案件でも、SNS告知は行われていません。
消費者庁は2009年以来、270件のパブコメのうちSNSで告知したのは7件のみで、告知率は3%にも満たない状況です。国民の日常生活に密接に関わる省庁としては、あまりにも消極的と言わざるを得ません。
制度改革への提言:透明性確保が急務
この深刻な状況を改善するためには、政府全体としてパブコメのSNS広報に関する明確なガイドラインの策定が急務です。「原則として全てのパブコメ案件をSNSで告知する」「国民生活に影響の大きい重要案件については、複数回の告知や図解を用いた分かりやすい解説を行う」といった具体的基準を設ける必要があります。
また、SNSでの告知効果を測定し検証する仕組みも不可欠です。インプレッション数、クリック数、e-Govへの流入数などを指標として設定し、データに基づく広報活動の改善を図るべきです。現状では、多くの省庁が「効果測定を行っていない」「記録を作成していない」状態で、これではPDCAサイクルを回すことは不可能です。
民主主義は国民の参加なくして成り立ちません。パブコメ制度が本来の目的を果たすためには、まず国民にその存在を知らせることから始める必要があります。e-Govに掲載しただけで責任を果たしたと考える姿勢は、国民軽視の現れと言わざるを得ません。各省庁が保有する数十万のフォロワーを活用し、真に国民の声を聞く制度へと改革することが求められています。