2025-06-24 コメント投稿する ▼
交野市の地下水が危機に?北陸新幹線ルート計画に市長が懸念「京都ばかり優先か」
「京都ばかり優先で交野は無視?」山本けい市長が北陸新幹線計画に危機感
地下水8割依存の交野市、トンネル工事で生活水源への影響を懸念
大阪府交野市の山本けい市長が23日、自身のX(旧Twitter)で、北陸新幹線の延伸ルートが市の地下を通る計画に強い懸念を示した。
交野市の水道水源の約8割は地下水であり、北陸新幹線が交野市地下を通過予定です。知事には、交野市の現状は伝えましたが、京都、京都って、交野市はどうでもいいのですか?
この投稿には、京都ルートばかりが注目される一方で、交野市の切実な事情が軽視されているのではないかという疑問と苛立ちがにじむ。
地下水が生活の命綱 深刻な水源リスクに
交野市の水道水の約80%は、地下数十~数百メートルにある帯水層からくみ上げた地下水で成り立っている。これは全国的にも珍しい高い依存度であり、水資源に恵まれている反面、ちょっとした地質変動が水質・水量に直結するというリスクも抱えている。
北陸新幹線の大阪延伸計画では、交野市の地下を長大なトンネルが通過する見込みだ。リニア中央新幹線や他のトンネル事業で、掘削が原因と見られる地下水の枯渇や水位低下が各地で報告されていることから、市では同様の影響を強く警戒している。
市長「賛成でも反対でもない、水を守りたいだけ」
山本市長は以前から、「新幹線そのものには賛否を述べていない」と強調してきた。問題は、生活に直結する水源に対して事業者が十分な説明や調査を行わないことだという。
市は鉄道・運輸機構からの地質調査協力の要請に対し、「地下水への影響調査が不十分である」として、市有地の提供を保留。大阪府や関係機関にも、地下水調査の実施や情報共有を強く求めている。
「交野市は小さな自治体かもしれない。でも、そこで暮らす7万人の命の水がかかっている」と、市の関係者は訴える。
情報格差と“地域の優先順位”に不満
X投稿の中で山本市長は、「京都、京都って、交野市はどうでもいいのですか?」と綴っているが、この一文は、行政間の情報格差や、交野市が計画上“後回し”にされているとの不信感を象徴している。
北陸新幹線の京都以西ルートに関しては、京都府内での議論がメディアでも大きく取り上げられてきたが、大阪府内、特に交野市のような中小都市の課題については、ほとんど報道もない。
この状況に、市民の間でも「交野の声が聞かれていないのではないか」「生活を守る市長の訴えを府や国はもっと受け止めてほしい」との声が高まっている。
地域の命を守る政治のあり方が問われる
新幹線整備という国家的インフラと、地域住民の生活基盤とのバランスは簡単ではない。だがその調整を丁寧に行うのが、政治と行政の責任のはずだ。
山本市長の訴えは、単なる“地域エゴ”ではない。むしろ、「小さな声を大きな計画の中でどう拾い上げるか」という問いを、我々に突きつけている。
「交野市の地下水は、数字やコストで語れるものではない。私たちの暮らしの根っこです」。そう語る市職員の声が、今、計画の関係者に届くかどうかが問われている。