2026-02-20 コメント投稿する ▼
和歌山県がだいち4号データ活用へJAXAと検討開始、インフラ予防保全に衛星技術
和歌山県がダムや道路などのインフラ管理を高度化するため、宇宙航空研究開発機構の人工衛星「だいち4号」のデータ活用に向けた検討を開始しました。2026年2月20日、宮崎泉知事がJAXA本部で瀧口太理事と意見交換を行い、衛星データを使った予防保全について協議しました。
世界最高レベルのレーダー性能で地盤を監視
だいち4号は2024年7月に打ち上げられた地球観測衛星で、高性能なレーダーを搭載しています。この衛星は異なる時期に観測した2つのデータを比較することで、地盤の動きを数センチメートルの精度で測定できます。さらに、観測頻度も前号機の年4回程度から年20回程度に大幅に向上しました。和歌山県は面積の約77パーセントを森林が占めており、広範囲のインフラを常に人の目で点検するには限界があります。衛星データを活用すれば、普段から地盤の隆起やずれを把握でき、災害時には早期の修復作業につなげられます。
具体的な活用例として、ダム貯水池周辺の監視、道路の斜面崩壊の早期把握、地表変動の検知による減災対策、森林資源の管理などが想定されています。和歌山県とJAXAは今後、対象エリアや施設の詳細を詰めて合意を目指す方針です。
「衛星で地盤の動きが分かるなんてすごい技術だな」
「インフラの老朽化対策に税金を使うのは賛成できる」
「災害が起きてからじゃ遅い、予防が大事だよね」
「和歌山は山が多いから人の力だけでは限界があるはず」
「こういう技術投資こそ必要な公共事業だと思う」
防災からスペースポート構想まで広がる可能性
和歌山県とJAXAの連携は2009年の協定締結以来、防災分野で続いています。今回はこれまでの災害時対応に加えて、平時のインフラ予防保全に範囲を広げます。JAXAは「インフラ管理・防災DX」を重点テーマに位置づけており、衛星データを活用した予防保全型のインフラ管理の実現を目指しています。だいち4号は従来機と比べて観測幅が50キロメートルから200キロメートルへと4倍に拡大しました。これにより広域かつ同時多発的な災害発生時の状況把握が迅速に行えます。
宮崎知事は「持続可能な未来をつくるうえで欠かせないインフラの予防保全に加え、宇宙産業の振興に役立つ」と期待を示しました。和歌山県は「スペースポート紀伊」を核とした宇宙産業振興を進めており、今回の連携はそうした構想とも連動しています。瀧口理事は「県との連携で得られる成果は衛星利用の拡大に資する。宇宙を活用した持続可能な社会基盤の実現に貢献したい」とコメントしています。
地方自治体での先進的な取り組みに
だいち4号は3メートル分解能という世界最高レベルの性能を持ち、地殻変動やインフラの変位監視、農作物の作付け状況把握、森林伐採状況の早期把握など幅広い分野での活用が期待されています。和歌山県での実証が成功すれば、同様の課題を抱える他の自治体にも展開できる可能性があります。特に山間部が多く、インフラの点検に人員を割くことが困難な地域にとっては、衛星データの活用は有効な選択肢となります。
両者は検討を経て覚書を締結し、2027年度からの実証開始を目指しています。民間事業者も参加できる枠組みを設けることで、宇宙産業の振興と地域課題の解決を同時に進める方針です。