2026-03-08 コメント投稿する ▼
牧野京夫復興相が除去土壌の再生利用推進を表明 2045年県外最終処分へ国が率先
牧野京夫復興相は東日本大震災から15年を迎えるのを前に時事通信などのインタビューに応じ、東京電力福島第1原発事故に伴う除染で生じた除去土壌の再生利用について、まず国が安全だと示さなくてはならないと述べ、全国展開に向けた対応を推進する考えを強調しました。 福島県内の中間貯蔵施設に保管されている除去土壌の県外最終処分を実現するため、日本全体の課題として取り組む姿勢を示しました。
県外最終処分は法律で定められた義務
福島県大熊町と双葉町にまたがる中間貯蔵施設には、県内の除染で生じた除去土壌や廃棄物が保管されています。中間貯蔵・環境安全事業株式会社法は、中間貯蔵開始後30年以内に福島県外で最終処分を完了することを国の義務として定めており、2015年3月に搬入が始まったことから、2045年3月12日までに全ての廃棄物を搬出し県外で最終処分しなければなりません。
保管されている除去土壌の量は約1330万立方メートルと推計され、東京ドーム約11杯分に相当します。このうち約8割は放射性セシウムの濃度が8000ベクレル毎キログラム以下で、再生利用が可能とされています。政府は2025年春までに再生利用の推進を柱とする基本方針を取りまとめ、夏頃にはロードマップを策定する方針です。
国が率先して利用し安全性を示す
牧野復興相は、全国で除去土壌を受け入れてもらうには、まず国が利用して安全だということを示さなくてはならないと強調しました。各省庁の出先機関も含め、利用を促進したいとの考えを示しています。これまで環境省が福島県内で進めてきた実証事業や国際原子力機関からの評価・助言により、その安全性が確認されているとしています。
「また福島に押し付けるのか。30年後も県外処分なんて無理だろう」
「安全だというなら東京で使えばいい。地方に押し付けるな」
「結局誰も引き受けないから福島が最終処分場になるんじゃないか」
「国が安全と言っても信用できない。原発事故で散々嘘つかれた」
「除染土の再利用なんて聞いたこともない。情報公開が足りない」
しかし再生利用をめぐっては、過去に新宿御苑や所沢市、筑波市で実証実験が計画されましたが、住民の反対により実施できませんでした。放射性物質を含む土壌を公共事業で利用することへの抵抗感は根強く、全国展開には大きな課題が残されています。原子力市民委員会などの専門家からは、放射能汚染土の無秩序な拡散を招くとして、省令改正の見送りを求める声も上がっています。
帰還困難区域の避難指示解除も推進
牧野復興相は福島県内の帰還困難区域の避難指示解除について、希望した方々が帰還できるように除染と生活環境の整備を進めていると述べました。順次避難指示を解除していく方針を示しています。
岩手県と宮城県の復興の完了に向けては、道路や鉄道、港湾、漁港といったハード面の整備はほとんど終わったが、被災者の心のケアは国がこれからも関わっていかなければならないと指摘しました。
震災の教訓を能登など他地域と共有
震災の教訓の伝承と風化防止については、能登半島地震で被災した能登など他の地域で共有、発信するためのシンポジウムを開催していく考えを示しました。2026年中に設置される防災庁については、復興庁が官民連携で被災地を支援し、ワンストップ窓口としての役割を担ってきたノウハウを生かしていきたいとしています。
除去土壌の県外最終処分は、福島県が原子力災害により極めて重い負担を負っていることを踏まえた措置であり、日本全体で取り組むべき課題として法定化されたものです。しかし最終処分地の確保は容易ではなく、2045年までの期限達成には国民的な理解と協力が不可欠となっています。牧野復興相の発言は、この困難な課題に政府が正面から向き合う姿勢を示したものといえます。