2025-08-01 コメント投稿する ▼
梅村みずほ氏「詐病発言」を再釈明 ウィシュマさん死亡問題に改めて注目集まる
「詐病発言」めぐり釈明続ける梅村みずほ氏 ウィシュマさん死亡問題に再び注目
参政党の梅村みずほ参院国対委員長が、名古屋出入国在留管理局で死亡したスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんに関する過去の発言について、再び説明を行った。梅村氏は1日の記者会見で、「私自身が『詐病だった』と断定したことはない」と明言。その上で、「『詐病の可能性』という指摘は、診断書に書かれた医師の見解に基づいたもの」と主張した。
この問題は2023年5月、梅村氏が日本維新の会所属時に参院本会議で述べた発言が発端となった。今回の釈明は、立憲民主党の杉尾秀哉参院議員がXで再び問題視したことを受けて行われたものとみられる。
過去発言の真意は? 「支援者の影響に疑問」も繰り返す
梅村氏は、問題の発言について「善かれと思った支援者の一言が、皮肉にも『病気になれば仮釈放してもらえる』という期待を抱かせた恐れもある」との趣旨だったとし、支援者の影響があった可能性についても改めて言及した。
さらに「支援者から『病気になれば仮放免される』と聞いた頃から心身の不調を訴えるようになり、医師がカルテに『詐病の可能性』と記載した」と説明。自身が指摘したのはその点であり、詐病であると決めつけたわけではないとの立場を強調している。
だがこの釈明に対しても、世論の反応は割れている。
「医師の記載を紹介しただけ、というならもっと慎重な言い方をするべきだった」
「亡くなった方への敬意が足りない。発言の重さを自覚してほしい」
「支援者が悪いと言いたいのか?責任のすり替えに聞こえる」
「発言を切り取って炎上させる側にも問題がある」
「何でも支援者のせいにするのは乱暴すぎる」
ウィシュマさんの死は、入管行政そのものに対する深い不信と、国際的な批判を呼んだ問題であり、慎重な言葉遣いが求められていたのは間違いない。
カルテの「詐病」記述の真偽と受け止め方
梅村氏が今回投稿した医師のカルテには、「支援者から“病気になれば仮釈放される”と伝えられて以降、心身の不調が顕著になり、詐病の可能性もある」といった趣旨の記述があるという。これにより、梅村氏は「詐病」という言葉を国会質疑で取り上げたことの正当性を訴えようとしている。
しかし、カルテにそうした表現があったとしても、それを国会の場で取り上げることの是非や、その際の文脈、表現の選び方には依然として慎重な配慮が求められる。特に、亡くなった当事者が反論できない中での発言には、人権上の視点が不可欠だ。
今回の再釈明でも、「政治家の発言責任」と「医療情報の取り扱い」をめぐる議論は避けられない。
問題の本質は「入管制度」と「命の扱い」
ウィシュマさんの死亡は、長期収容や医療放置、情報の不透明さなど、日本の入管制度が抱える深刻な問題を浮き彫りにした出来事だった。議論の焦点は本来、「なぜ助けられなかったのか」「制度は何を優先していたのか」という点にあるはずだ。
だが、政治家の不用意な発言がその焦点をずらし、「詐病だったか否か」という枝葉にばかり注目が集まる事態となっている。結果として、制度の本質的な改善議論が後退しているとの指摘も出ている。
政治家に求められるのは、センセーショナルな言葉選びではなく、制度の根本に踏み込む覚悟である。