木原長官「LNG備蓄3週間分」ホルムズ封鎖で不足懸念

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木原長官「LNG備蓄3週間分」ホルムズ封鎖で不足懸念

ホルムズ海峡封鎖が長期化すれば、石油よりも先にLNG不足が深刻化する可能性があります。 木原長官が明らかにしたLNG備蓄3週間分という数字は、日本のエネルギー安全保障の脆弱性を示しています。 日本のLNG輸入の9割以上はホルムズ海峡を通過していません。 木原長官が明らかにしたLNG備蓄3週間分という数字は、日本のエネルギー安全保障の脆弱性を浮き彫りにしました。

木原稔官房長官は3月2日午前の記者会見で、イラン攻撃を巡り液化天然ガス、LNGの備蓄について、電力・ガス会社が国内全消費量の3週間分程度を保有していると明らかにしました。石油については国家・民間合わせて246日分の備蓄があるのに対し、LNGは物理的な制約から長期備蓄が困難で、わずか3週間分しか在庫がありません。ホルムズ海峡封鎖が長期化すれば、石油よりも先にLNG不足が深刻化する可能性があります。日本の発電の約3割を担うLNG火力発電は、中東情勢の悪化により、エネルギー安全保障の盲点として浮き彫りになっています。

米国とイスラエルが2月28日にイランを攻撃したことを受けて、イランは報復としてホルムズ海峡の封鎖を宣言しました。ホルムズ海峡は世界のLNG輸送の約2割を占める主要航路で、カタールなどペルシャ湾岸諸国からのLNG輸送が途絶える可能性があります。

LNG備蓄わずか3週間の理由


木原長官が明らかにしたLNG備蓄3週間分という数字は、日本のエネルギー安全保障の脆弱性を示しています。

LNGはマイナス162度以下で保存しなければならず、保管コストが高い上に、時間の経過とともに自然に蒸発し、タンクを満タンにしてもおよそ3年でカラになります。

そのため、LNGにおいては在庫量を最小限にして運用されるのが通例で、日本での平均的なLNG在庫量は消費量の2週間から3週間分程度となっています。

石油備蓄が国家・民間合わせて246日分あるのとは対照的です。石油備蓄は1973年のオイルショックを契機に国際エネルギー機関、IEA加盟国が構築した協調融通体制の成果であり、G7の起源もここにあります。

「LNG備蓄3週間って、短すぎない?大丈夫なの」
「石油は246日分あるのに、ガスは3週間か。心配だな」
「ホルムズ海峡が封鎖されたら、すぐ足りなくなるじゃん」
「電力不足になったら、停電とか起きるのかな」
「LNGって備蓄できないんだね。知らなかった」

ホルムズ封鎖で先に危機になるのはLNG


イランによるホルムズ海峡封鎖が実現すれば、先に危機になるのは石油ではなくLNGです。

カタールは世界最大級のLNG輸出国ですが、そのLNGはすべてホルムズ海峡を通過します。大手電力会社のJERAは2月にカタールから年300万トンの長期契約を結んだばかりです、供給は2028年から、ですが、ホルムズ海峡が封鎖されれば、この契約も履行できなくなります。

日本のLNG輸入のうち、中東からの輸入比率は低いものの、スポット市場での玉不足や価格には間接的に影響します。世界的なLNG不足が発生すれば、価格は急騰し、日本の電力・ガス会社も高値での調達を迫られます。

LNG火力は日本の電力供給の支柱です。日本の発電の約3割をLNG火力が担っており、LNG不足は直ちに電力不足につながります。

厳冬や猛暑で電力需要が増える時期にLNG在庫が底をつけば、停電のリスクも高まります。国内に需要の2週間から3週間分しか備蓄できないという貯蔵能力の低さは、日本のエネルギー安全保障の盲点になっています。

LNG調達のリードタイムは2か月


LNG不足が判明してから実際に調達できるまでのリードタイムが長いことも問題です。

LNGは基本的に産地との長期契約が主であり、スポット調達でも届くのに2か月程度かかります。そのため、LNGの需要増が発生したとしても、LNGのサプライチェーンは需給の急変に対応しきれません。

ホルムズ海峡が封鎖されて、カタールからのLNG輸入が途絶えた場合、代替調達先を探しても、実際に日本に届くまでには2か月かかります。その間、3週間分の備蓄で乗り切らなければなりません。

さらに、地域的な特性も加わります。北陸電力や四国電力はLNGタンクを1基しか持っていません。LNGそのものに貯蔵の難点があるとはいえ、貯蔵のキャパシティーが低い電力会社が存在します。

これらの電力会社では、LNG不足がより深刻化し、早期に電力供給に支障をきたす可能性があります。

日本のLNG輸入、9割以上はホルムズ通過せず


ただし、日本のLNG輸入については、一定の安心材料もあります。

日本のLNG輸入の9割以上はホルムズ海峡を通過していません。日本企業は、ホルムズ海峡のリスクに左右されないLNGプロジェクトの開発を目指しており、米国、豪州、カナダ、インドネシア、マレーシアなど多様な地域からのLNG輸入を増強しています。

大阪ガスは米国のフリーポートLNGの生産能力拡張を計画しており、三菱商事はマレーシアのLNG権益を年産80万トン分取得しています。住友商事と双日は、豪州のスカボローLNGプロジェクトにおける10パーセントの権益を取得し、2026年に年産80万トンのLNG輸出を構想しています。

INPEXは、インドネシアのマセラ鉱区のLNGプロジェクトについて基本設計を2025年中に開始しました。既に、INPEXは豪州のイクシス・プロジェクトから年産930万トンのLNGを生産しており、インドネシアのマセラLNGプロジェクトも同規模となります。

ENEOSホールディングスも、マレーシア沖合いのLNG開発プロジェクトの開発期間延長を、マレーシアの国営石油企業ペトロナスと2025年6月に契約しています。

中国規制リスクも同時に顕在化


LNG不足に加えて、中国による対日デュアルユース品目の輸出規制も同時に顕在化しています。

中国は2026年1月、日本に対する両用品目の輸出管理を強化する旨を発表しました。重希土類のジスプロシウム等は対中依存度ほぼ100パーセントで、3か月の供給停止で6600億円の損失試算があります。

ホルムズ海峡封鎖と中国規制、2つのリスクが同時に顕在化しています。問題は石油の値段だけではありません。

日本はエネルギー自給率が15.2パーセント、2023年度、経済産業省統計、と、先進国のなかでも際立って低く、特に一次エネルギーの3割以上を占める石油を中東に大きく依存しています。

そのため、宗教的にも政治的にも不安定な中東地域において紛争が発生すると、ホルムズ海峡封鎖の呪縛に悩まされてきました。

エネルギー安全保障に万全を期す


木原長官は3月1日未明の記者会見で、米国とイスラエルによるイラン攻撃に関し、日本での石油需給に「直ちに影響が生じるとの報告は得ていない」との認識を示しました。「日本のエネルギー安定供給確保には万全を期していく」と強調しました。

原油の需給や価格は「中東情勢のみならず世界経済であったり、またエネルギー需給動向などそういった様々な要因を踏まえて最終的には市場で決まるもの」と述べました。「仮定の話、臆測に基づいた話に予断を持ったコメントというのは差し控えなければならない」と話しました。

木原長官は「エネルギー安全保障を含む中東地域の平和と安定、そして国際的な核不拡散体制の維持は日本にとっても極めて重要だ」と強調しました。「事態の早期沈静化に向けて国際社会とも連携し、引き続き必要なあらゆる外交努力を行っていく」と述べました。

天然ガス価格は既に上昇


天然ガス価格は既に上昇しています。イランとイスラエルの対立が激化すれば、LNG輸出の主要航路のホルムズ海峡を通じた供給が途絶えるとのリスクシナリオが意識されています。

欧州の天然ガス指標のオランダTTFの翌月渡し物価格は、2024年4月17日に一時1メガワット時あたり33ユーロ台後半を付けました。終値ベースで2024年1月以来、約3か月半ぶりの高値となりました。

イランは世界のLNG輸送の約2割を占めるホルムズ海峡に面し、報復として通航を妨げる懸念が出ています。同海峡は埋蔵量が世界第3位のカタールのあるペルシャ湾の出口で、2024年4月13日には近辺でイスラエル関連の貨物船の拿捕が伝わりました。

2026年3月現在、ホルムズ海峡が実際に封鎖されたことで、LNG価格はさらに上昇する可能性が高まっています。

木原長官が明らかにしたLNG備蓄3週間分という数字は、日本のエネルギー安全保障の脆弱性を浮き彫りにしました。ホルムズ海峡封鎖が長期化すれば、LNG不足が深刻化し、電力供給に支障をきたす可能性があります。日本政府は、エネルギー安定供給確保に万全を期す姿勢を示していますが、短期的な備蓄不足と中長期的な調達リスクへの対応が急務となっています。

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2026-03-02 12:38:44(植村)

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