木原官房長官が2016年安倍外交を理想視、物価高対策より外交威信優先の高市政権の危険な方向性露呈

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木原官房長官が2016年安倍外交を理想視、物価高対策より外交威信優先の高市政権の危険な方向性露呈

木原稔官房長官が「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」の理想的時期として「2016年ごろ」と具体的に明示したことで、高市早苗政権の安倍外交回帰路線が鮮明になりました。この答弁は、安倍晋三元首相が築いた外交レガシーへの明確な原点回帰を示すものであり、現在の物価高対策より外交的威信を優先する高市政権の姿勢を象徴する発言として注目されています。

2016年安倍外交の黄金期を理想視


木原官房長官は立憲民主党の森山浩行氏の質問に対し、自由で開かれたインド太平洋(FOIP)、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)、日EU経済連携協定(EPA)、日米豪印協力枠組み「クアッド」を挙げて、「まさに世界の真ん中で咲き誇る日本外交を目に見える形で実感できた時期」と評価しました。

確かに2016年は安倍外交にとって画期的な年でした。同年8月にケニアのナイロビで開催された第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)で安倍首相が「自由で開かれたインド太平洋戦略」を初めて対外発表し、アジアとアフリカを結ぶ壮大な外交構想の出発点となりました。また、同年2月にはTPP協定が12カ国で署名され、日本が主導する多国間経済枠組みの基礎が固まった年でもあります。

「安倍さんの外交は本当に素晴らしかった」
「あの頃の日本は世界から注目されてたよね」
「FOIPもクアッドも安倍さんの発明だった」
「高市首相なら安倍路線を継承してくれる」
「やっと日本外交が復活する」

物価高放置で外交威信追求の危険性


しかし、この外交重視姿勢には重大な問題があります。現在の日本が直面している最大の課題は物価高による国民生活の困窮であり、数十年に渡る自民党の失策により実質賃金が低下し続けている状況です。この緊急事態において、外交的威信の回復を最優先に掲げることは、国民の現実的なニーズから乖離した政治姿勢と言わざるを得ません。

また、安倍外交の成果とされるFOIPやクアッドも、実際には中国の軍事的台頭への対抗策としての性格が強く、地政学的な緊張を高める側面もあります。元外務審議官の田中均氏は「国力はどんどん低下し、諸外国からみれば米国追随にしか見えぬ」と指摘しており、実態の伴わない外交スローガンへの懸念も表明されています。

経済政策軽視が招く国力低下


2016年当時と現在の決定的な違いは、日本の経済的地位の相対的低下です。当時は円安効果もあって企業業績が好調でしたが、現在は長期間のデフレ脱却失敗により、GDP世界4位への転落と国際競争力の低下が深刻化しています。こうした状況で外交的な存在感を示そうとしても、経済力の裏付けを欠いた空虚な演出に終わる危険性があります。

財政出動と減税による物価高対策こそが一刻の猶予も許されない最優先課題であるにもかかわらず、高市政権は就任直後から外交日程を優先し、国内の経済政策には具体的な進展が見られません。ASEAN首脳会議、トランプ大統領訪日、APEC首脳会議と矢継ぎ早に外交イベントをこなしていますが、国民生活の改善に直結する政策実行が後回しになっている現状は問題です。

安倍外交神話化の危険性


木原官房長官の答弁は、安倍外交を過度に理想化する傾向を示しています。確かに安倍政権時代には様々な外交イニシアチブが打ち出されましたが、その多くは構想段階にとどまり、具体的な成果については検証が必要です。特にTPPについては、アメリカの離脱により当初の目標とは大きく異なる形での発効となり、日本主導での再構築が必要になった経緯があります。

高市政権が目指すべきは、安倍外交の単純な復活ではなく、現在の国際情勢と日本の国力に見合った現実的な外交戦略の構築です。美辞麗句による外交スローガンよりも、国民生活の向上を通じた国力の回復こそが、真の外交力強化につながる道筋と言えるでしょう。

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2025-11-20 11:23:59(植村)

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