2025-05-14 コメント投稿する ▼
公益通報者保護法改正案可決:実効性強化を求める大門議員の指摘と政府の対応
公益通報者保護法改正案、参院本会議で議論 大門議員が実効性強化を要求
2025年5月14日、参議院本会議で公益通報者保護法の改正案に関する質疑が行われた。日本共産党の大門実紀史議員は、この改正案を「一歩前進」としながらも、実効性の向上を求めた。
大門氏は、公益通報を理由とした解雇や懲戒に刑事罰を導入する点については評価しつつ、過去の事例を引き合いに出して、法の実効性がこれまで不十分であったことを指摘した。特に、企業側の圧力で通報者保護が形骸化している現状を問題視し、「通報者が安心して声を上げられる環境づくりが必要だ」と訴えた。
企業圧力と通報者の苦境
大門議員は、兵庫県の斎藤元彦知事の事例に言及。斎藤知事が、自身のパワハラを外部通報した職員を懲戒処分したことを「適切」と説明したことに対し、「これは誤った法解釈に基づく対応だ」と批判した。公益通報者保護法は通報者を守るための法律であるにもかかわらず、内部通報に限定されているとの誤解がまん延していることを問題視した。
また、2012年の秋田書店のケースも取り上げた。ここでは、内部告発を行った従業員が逆に懲戒解雇され、さらに「景品を横領した」との不当な疑いをかけられた。大門氏は「もし今回の改正案が当時存在していれば、この従業員は保護されていただろう」と強調した。
実効性確保へ、政府の対応
伊東良孝消費者担当相は、今回の法改正により通報者の保護が強化されるとし、「好事例を収集し、企業トップへの意識啓発を進める」と表明。また、通報後1年以内に行われた解雇や懲戒については、公益通報を理由と推定する規定が新設され、事業者側に立証責任が移ることも明らかにした。これにより、通報者の救済がしやすくなると説明した。
ネットユーザーの反応
「公益通報者保護法、もっと強化してほしい。内部告発者が安心して声を上げられる社会に。」
「斎藤知事の対応、まさに逆行してる。通報者を守るべき立場の人がこれでは…」
「企業は通報者を敵視するのではなく、改善のきっかけと考えるべきだ。」
「内部告発のリスクを考えると、通報者の範囲も広げるべき。」
「実効性を確保するには、企業側の意識改革が不可欠だ。」
今回の法改正は、通報者保護の第一歩と評価されるが、実効性確保のためにはさらなる改善が求められる。特に、配置転換や嫌がらせなど、解雇以外の不利益取扱いにも対応する必要がある。また、通報者の範囲を広げ、取引先事業者や支援者も保護対象に含めることが検討されるべきだ。
政府と企業が協力し、通報者を守りつつ、健全な企業風土を築くことが期待される。