2025-04-17 コメント投稿する ▼
国債大量発行に警鐘 金融緩和正常化へ国内金融機関との対話重視を―大門実紀史氏が指摘
国債大量発行に警鐘 正常化への課題浮き彫りに
日本共産党の大門実紀史参院議員は、4月17日の参院財政金融委員会で、日本銀行の植田和男総裁に対し、国債大量発行のリスクと金融政策正常化への課題を鋭く指摘した。異次元の金融緩和からの出口戦略をめぐり、国内経済の安定と金融市場の信認確保が求められる中、金融機関との対話の重要性が浮き彫りとなった。
異次元緩和の副作用に懸念 「株高だけでは意味がない」
大門氏は、黒田東彦前総裁時代に推進された「異次元の金融緩和」により、株価は上昇したものの、実体経済の成長にはつながらなかったと批判。「10年以上経っても国内経済は力強さを欠いたままだ」と指摘し、単なる市場上昇だけで政策成功を語るべきではないと訴えた。加えて、大量の国債購入に伴う副作用についても強い警鐘を鳴らした。
金融政策正常化のための三つの提言
大門氏は金融政策の正常化に向け、次の三つのポイントを挙げた。
- 金利急騰を引き起こさないよう慎重に対応すること
- 国債減額を進める際、国内金融機関との協力と対話を重視すること
- 海外投機筋による市場攪乱リスクを抑えるため、必要な規制措置を講じること
これに対し植田総裁は「経済・物価情勢を丁寧に確認し、適切な政策判断を行う」と応じ、引き続き市場との丁寧な対話を重ねる意向を示した。
財務省の海外セールスに懸念 「リスキーな行動」と批判
さらに大門氏は、財務省理財局が海外ファンドに国債購入を促す様子を取り上げたNHK番組に言及。「海外投資家頼みの姿勢は大変リスキーだ」と批判し、「まずは国内金融機関との関係構築に努めるべきだ」と訴えた。現在、財務省は新規国債発行分の消化を確保するため、海外への売り込みを強化しているが、為替や海外情勢によるリスクが高まることへの懸念が広がっている。
「幸運をあてにするのは危険」 国債依存への警告
大門氏は、植田総裁が東大教授時代に執筆した論文から「日本の今後を考えるにあたって幸運をあてにするのは危険である」という一節を引用。緊縮財政を主張する立場ではないとしつつも、「国債を無制限に発行し続けるのは極めて危うい」と強調した。そして、「この言葉は、今まさに私たち国会議員に突きつけられている」として、国債依存の財政運営に対する根本的な見直しを呼びかけた。
- 異次元緩和の限界と副作用を大門氏が指摘
- 金融政策正常化へ「金利急騰防止」「国内金融機関との対話」「海外投機規制」の三提言
- 財務省の海外セールス活動に対し「リスキー」と警鐘
- 「国債大量発行を当たり前と思うべきでない」と国会に警告