2025-11-20 コメント投稿する ▼
補聴器補助基準「70デシベル」は厳しすぎる 大門実紀史氏が制度見直しを強く要求
大門議員は「70dBという基準は諸外国と比べて極めて厳しい」と述べ、聴力50~60dBの子どもでも補聴器が必要で、実際にろう学校に通っているケースがあると強調しました。 日本の公的補聴器補助制度は、聴覚障害者手帳の等級に基づき、聴力70dB以上を対象とする厳しい基準で運用されています。
子どもの難聴も補助対象に──大門氏が追及
2025年11月20日、参議院内閣委員会で、大門実紀史議員(日本共産党=共産党)が、補聴器補助の対象基準の見直しを厚く求めました。現在、公的な補聴器補助は聴覚障害の「6級」にあたる聴力レベル70デシベル(dB)以上の人に限られており、ろう学校に通う子どもの中にも補助対象から外れる例があると指摘したのです。
大門議員は「70dBという基準は諸外国と比べて極めて厳しい」と述べ、聴力50~60dBの子どもでも補聴器が必要で、実際にろう学校に通っているケースがあると強調しました。さらに、補助の対象をすべての難聴の子どもに広げるべきだと迫りました。
制度の現状──なぜ70dBなのか
現在、日本では身体障害者福祉法(1954年改定)により、聴覚障害による身体障害者手帳の等級は労働基準法の聴覚障害等級表をもとに定められます。補聴器を含む補装具費の支給対象となるのはその等級に該当する人のみで、主に聴力が高度~重度の難聴にあたる人が対象となります。具体的には、平均聴力レベル70dB以上が「6級以上」と定められています。
この制度の下では、軽度~中等度の難聴(たとえば50~60dB程度)では手帳が交付されず、公的な補助対象から外れることになります。そのため、補聴器の購入は自己負担となるケースが多くなります。
その一方で、各自治体は独自に高齢者向けや中等度難聴者向けの補聴器助成制度を設けており、18歳以上の軽中等度難聴者に対して補助を行う自治体は全国で一定数存在します。
国際的な基準とのズレと社会的要請
大門議員が問題視したのは、この「70dB」という基準の厳しさです。世界保健機関(WHO)が示す難聴の基準は、しばしば「中等度難聴(40~60dB)」から補聴器の必要性を考慮すべきとされており、日本の制度はこの国際基準や諸外国の制度に比べて大幅に厳しいとの指摘があります。
大門議員はさらに、ただ労働能力の有無で等級を定めることは、現代の社会で求められるノーマライゼーションや情報保障、QOL(生活の質)向上といった観点と乖離していると強く訴えました。つまり、補聴器が必要なのに制度上「対象外」であれば、教育や日常生活で不利な立場に置かれかねない、というわけです。
また、大門氏はこの問題は加齢性難聴にも波及するものだと指摘し、「厚生労働省は財務省に対し、補聴器補助の拡充のための予算を要望すべきだ」と要求しました。
声なき声──制度の狭さに苦しむ人びと
「子どもがろう学校に通っていて補聴器が必要なのに、基準が通らず自己負担。何かおかしい」
「50~60dBでも聞こえづらさがあって、補聴器ないと授業についていけない」
「大人になって加齢で聞こえなくなっても、補助がもらえないなら高齢者はどうしたらいいのか」
「70dBって、世界では高すぎって言われてるらしい。日本も見直すべき」
「補助がある自治体に住めばラッキーだけど、地域格差が大きすぎる」
こうした声は、SNSなどで少なからず見かけられました。軽中等度の難聴に苦しむ人々、とくに子どもや高齢者にとって、公的な補助制度が使えず苦しい思いをしている現実が浮かび上がります。
今後の展望──制度見直しの可能性と課題
今回の参院での議論は、公的補聴器補助制度のあり方をめぐる深刻な問題を改めて浮き彫りにしました。国際基準や他国の事例と比べ、現行の「70dB」というしきい値はあまりにも高く、難聴の実態や社会的要請に追い付いていない可能性があります。
ただし、支援対象の拡大には予算確保が必須です。補装具費支給制度は、国・都道府県・市町村の公費で賄われており、制度を広げれば当然負担も増えます。各自治体の財政状況を含めて、現実的な検討が求められます。
一方で、すでに一部の自治体では軽中等度難聴者や高齢者向けの補聴器助成を実施しており、そうした動きが広がることで「補聴器格差」の是正が可能になる道もあります。国による基準見直しとともに、市町村による柔軟な支援拡充も併せて進めるべきだ、というのが今回の議論の核心です。
日本の公的補聴器補助制度は、聴覚障害者手帳の等級に基づき、聴力70dB以上を対象とする厳しい基準で運用されています。今回、大門実紀史氏が参院内閣委で「この基準は時代遅れだ」と訴え、すべての難聴の子どもを補助対象にすべきだと迫りました。医療・福祉の国際的な常識や、教育・生活の現実を考えれば、その主張には強い説得力があります。今後、国と自治体が制度見直しに応じられるか、注目されます。