臨時総裁選検討の段階へ 有村治子氏「何らかの意思決定は務め」 自民党両院議員総会の舞台裏と今後

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臨時総裁選検討の段階へ 有村治子氏「何らかの意思決定は務め」 自民党両院議員総会の舞台裏と今後

自民党、臨時総裁選の是非を選管に申入れ 有村治子氏「何らかの意思決定は務め」


自民党両院議員総会は8日、先の参院選での大敗を受けた総括と今後の党運営を巡り、約2時間にわたって議論を行い、臨時総裁選の実施の是非について総裁選挙管理委員会に対応を申し入れた。有村治子両院議員総会長は総会後の取材で、「何らかの意思決定をしていくのも政治家の務めだ」と述べ、手続きの重さを強調した。党則に基づく臨時総裁選は前例がなく、判断の一挙手一投足が政権運営に直結する局面に入った格好だ。

未曾有の敗北を受けた意思決定プロセス


総会は、意見交換の場である懇談会とは異なり、議決権を持つ構成で進められた。有村氏は「同じ議論の焼き直しにはしない」として、会場に臨時総裁選開催の是非を直接問い、意見の大勢を確認した。形式はあくまで「申し入れ」であり、総会としての議決までは行っていないが、逢沢一郎・総裁選挙管理委員長の下で、衆参両院の議員と47都道府県の代表による意見集約と、そのカウント方法を含めて速やかに決める段取りを促した。

総会運営の難しさについては「かなり平坦ではなかった」と吐露したうえで、石破茂総裁(首相)の進退を含む党の進路の重みを念頭に「念入りに、慎重にことを運んだ」と振り返る。前回の両院議員懇談会では4時間半にわたり64人が意見を述べた経緯があり、今回は“意思形成を前に進める段階”に軸足を移した位置づけだ。

「参院選の民意を受けて、まず党が自らのけじめを示すべきだ」
「臨時総裁選は拙速にすべきでないが、先送りも禍根を残す」
「党内手続の透明性を高め、ルールに則って粛々と進めてほしい」
「現場の声を広く拾い上げるなら、都道府県連の意見反映は不可欠」
「結論ありきの茶番にしないよう、過程を丁寧に公開してほしい」


「前例なき」臨時総裁選の重みと配慮


有村氏は、党則に基づく臨時総裁選が一度も実践されていないこと自体が「重い」と述べた。石破首相の発言機会についても、衆参の議員がそれぞれ民意を背負っている以上、「総理の全人格的な考えを伺いたい」という要望が多かったと説明。被爆地の祈念日が続く8月6日、9日、そして終戦から80年の8月15日という時期に配慮しつつ、政治判断を急ぐ難しさにも言及した。総会の席上、石破首相は神妙な面持ちで傾聴する場面が目立ち、ときに苦悩の色も見えたという。

今回の申入れによって、選管は「実施の是非をどう問うか」「誰の意思をどうカウントするか」という技術的論点を早急に詰める必要が生じた。国会議員票と党員・党友の声をどう位置づけるか、前例なき臨時の枠組みで“公正・中立・迅速”の三要素をどう両立するのかが、次の焦点となる。

党再生の分水嶺、問われるルールと説明責任


参院選の大敗は、政策判断、候補者選定、組織運営、メッセージ戦略にまたがる複合不振の結果だ。臨時総裁選の議論は、単なる人事の興味にとどまらず、党の意思決定が民意とどう接続するかを映す鏡でもある。ルールを先に整え、プロセスを公開し、結果を潔く受け止められるか。政権党としての説明責任の果たし方が、党勢回復の起点になる。

有村氏は「どのような意思決定をしても賛否は出る。議長役として公正に進行したと理解してもらえることが重要だ」と強調した。両院総会長には都道府県代表を招集する権限はないため、最終判断は選管と党執行部の連携に委ねられる。石破政権は、内閣の安定運営と党内民主主義の深化を両立できるかを試されている。

臨時総裁選の是非を問うプロセスが、政策論争の深化へつながるかも注目点だ。経済・安全保障・社会保障の各分野で対抗軸を明確にし、国会と地方の回路を太くすることができるなら、今回の手続きは単なる危機対応を超え、党再生の起点になり得る。逆に、手続きの不透明さや派閥力学の露呈が目立てば、求心力の低下に拍車をかけかねない。

次の一手、スケジュール感と民意の接続


今後、選管は実施の可否と枠組みを整理し、党内合意を形成する。併せて、地方組織の声の反映方法、論戦の場の設計、候補者の政策責任の可視化が不可欠だ。参院選の総括で浮かんだ課題を、立候補者の争点としてどう具体化するか――「誰が」より「何をどう変えるか」を問う選挙へ転換できるかが勝負どころとなる。

政治にとって時間は最大のコストだ。先送りは不信を呼び、拙速は禍根を残す。前例なき臨時総裁選の議論を、ルールに基づく予見可能なプロセスへ収斂させられるか。自民党の組織力と説明能力が、今まさに試されている。

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2025-08-09 17:17:45(藤田)

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