2026-03-06 コメント投稿する ▼
達増岩手県知事、震災15年へ「災害後開発」を語る - 心のケアと前進の両立目指す
東日本大震災から15年という節目を迎えようとしています。 岩手県では、震災からの復興に向けた歩みが続いていますが、その道のりは決して平坦ではありません。 知事が掲げる「災害後開発」という言葉には、震災の記憶を風化させることなく、より良い地域を築き上げていこうとする強い意志が込められています。 あれから15年。
震災から15年、復興の現在地
2011年3月11日に発生した東日本大震災は、東北地方に甚大な被害をもたらしました。岩手県も例外ではなく、多くの尊い命が失われ、街が壊滅的な被害を受けました。あれから15年。復興庁のまとめなどによると、災害公営住宅の整備やインフラ復旧は進展していますが、被災した方々の心の傷は、時間だけでは癒えるものではありません。達増知事は、この15年という年月について、「身近な人や家族を亡くされた方にとって、15年の長さはつらいものがある」と、被災者の心情に寄り添う言葉を述べました。同時に、被災地が抱える課題は依然として多いことを強調しています。
地域活性化への確かな歩み
一方で、知事は復興における前向きな変化にも目を向けています。例えば、被災した東北太平洋沿岸に沿って整備された約1000キロメートルの長距離自然歩道「みちのく潮風トレイル」。このトレイルが昨年、全線開通5周年を迎え、海外メディアからも注目を集めました。また、近年は岩手に寄港するクルーズ船も増加傾向にあり、三陸地域が国際的な交流の舞台として、再び世界に開かれつつある状況を指摘しました。こうした動きは、震災からの復興が、単なるインフラ整備に留まらず、地域経済の活性化や新たな交流人口の創出にも繋がっていることを示唆しています。
「やるべきこと」はまだ多い
しかし、知事は復興の歩みを楽観視してはいません。「被災者の心のケア、被災者に寄り添った専門的な支援の継続など、やるべきことはまだまだある」と、知事は課題の大きさを改めて認識しています。震災から時間が経過するにつれて、被災者支援のニーズも変化していきます。復旧・復興から、より長期的な生活再建や、地域社会の維持・発展へと、支援のあり方も進化させていく必要があります。特に、震災の記憶や教訓を次世代へと継承していくことは、防災意識の向上だけでなく、震災を乗り越えた経験を未来への力に変えていく上で、極めて重要です。
「災害後開発」に込めた意味
インタビューの中で、達増知事が特に注目されたのは「『災害後開発』を復興の名のもとに進める」という発言です。これは、単に失われたものを元に戻す「復旧」や、生活基盤を再建する「復興」という段階を経て、さらにその先を見据えた地域づくりを進めていく、という知事の強い決意表明と受け止められます。災害によって失われた日常を取り戻すだけでなく、震災の経験を教訓とし、より持続可能で、魅力あふれる地域を新たに創造していく。そのための開発や振興策を、復興という大義のもとに推進していくという考え方です。それは、過去の悲劇を未来への飛躍の原動力とするという、力強いメッセージと言えるでしょう。
未来へ向けた知事のメッセージ
震災から15年。岩手県は、被災された方々の心に寄り添い続けることの重要性を再確認しつつ、国際的な注目も集める地域づくりを進めています。達増知事が語った「災害後開発」は、復興のその先にある、希望に満ちた未来への blueprint(設計図)なのかもしれません。被災地の記憶を大切にしながらも、未来を見据えて力強く前進していく。そのバランス感覚と、地域全体の発展を目指す知事の姿勢は、今後の岩手県の歩みを占う上で、注目すべき点と言えるでしょう。