2025-06-25 コメント投稿する ▼
三重県が高度外国人材の受け入れ強化へ インドネシア・ベトナムと連携し合同面接会も開催
高度外国人材採用セミナーを三重県が主催
三重県が、アジアからの高度外国人材の受け入れを本格化させようとしている。一見勝之知事の下、県は2025年7月3日、鈴鹿市男女共同参画センターにて「高度外国人材採用セミナー」を開催する。対象となるのは県内企業で、外国人材の雇用を検討している企業経営者や人事担当者向けの内容だ。
セミナーの開催形式は、会場とオンラインの両方で参加可能なハイブリッド方式。参加費は無料で、運営は人材支援事業を手がける株式会社セキショウキャリアプラスが担当する。
プログラムは三部構成で、「不安だからこそ知っておきたい!高度外国人材採用の第一歩」や「パネルディスカッション」、「三重県の外国人材採用支援メニュー紹介」が用意されている。セミナーを通じて、受け入れに伴う不安や疑問を払拭し、現実的な対応策を学ぶ場として期待されている。
インドネシア・ベトナム人材との交流を強化
注目されるのが、パネルディスカッションに登壇するベトナム人およびインドネシア人の高度外国人材の存在だ。いずれも日本国内で就労中の人材で、実際の就労経験をもとに、「不安が自信に変わる!」をテーマに語ることとなっている。
さらに、三重県では独自の取り組みとして、インドネシアとベトナムで合同面接会(ジョブフェア)を開催する方針も打ち出している。具体的には、2025年9月にインドネシア大学およびジャカルタ市内、2026年3月にはベトナムのハノイ工科大学にて開催が予定されており、現地の優秀な理系人材・技術者の採用を見据えた取り組みだ。
県としては、日本語教育や就業体験の支援制度をはじめ、採用後のサポート体制も強化していくとしており、企業側の負担軽減にもつながる施策が進められている。
地域経済の活性化と人口減少対策の一環
この取り組みの背景には、三重県が抱える深刻な人口減少と地域産業の人手不足がある。特に製造業や介護、建設分野では、若年層の労働力確保が年々難しくなっており、県内企業は人材確保に苦慮している。
そこで、ただ単に労働力としての外国人材を導入するのではなく、高度な知識・スキルを持つ人材を呼び込み、地域に定着してもらう方針を明確にしている。県としては、将来的に地域社会の担い手となるような人材を積極的に受け入れ、持続可能な地域経済の構築につなげたい考えだ。
「現場では人手不足が限界。外国人材に頼るのも当然の流れ」
「日本語が話せて即戦力になる人が来てくれるなら大歓迎」
「企業には魅力かもしれないが、地元住民との共生がカギでは?」
「なぜ国内の若者が三重で働かないのか、根本的な見直しも必要」
「いつの間にか地域社会が“外国人頼み”になってるのが不安」
外国人材政策に求められる慎重な議論
ただし、外国人材の受け入れが万能ではないのも事実である。現場では文化や宗教、生活習慣の違いによるトラブルや、言語の壁が問題視されることもある。また、外国人に依存することで、地元の若者の雇用機会や賃金が抑えられるリスクも指摘されている。
さらに、政府が推し進める外国人材拡大政策には「企業の安価な労働力確保のためではないか」との懐疑的な声も少なくない。団体献金や政財界の癒着が、外国人労働者の規制緩和を進める一因となっていないか、政治的な透明性も求められる。
そもそも、根本的には税や社会保険料の重さ、住宅・教育環境など、若者が地方で働きにくい要因が解決されなければ、外国人に頼り続ける構造からは脱却できない。減税による家計負担の軽減や、地元企業の競争力向上があってこそ、真の雇用政策として成立する。
三重県の挑戦は、地方自治体が抱える人口減少・労働力不足という課題にどう向き合うかの試金石だ。外国人材と地域が互いに支え合い、共生できる社会のビジョンが描けるか。今後の成果と課題に注目が集まる。