2025-11-06 コメント投稿する ▼
長野県が2050年見据えた多文化共生MIRAI会議 外国人住民4.7万人時代の未来構想
県内の外国人住民数が約4万7千人に達し、10年前の約1.5倍に急増する中、2050年の信州の姿を見据えた多文化共生社会の実現に向けて、県民とともに未来を考える初の大型イベントです。 総務省が2006年に策定した「地域における多文化共生推進プラン」から約20年が経過し、外国人住民の多国籍化や定住化が進む中で、新たな共生社会のあり方が模索されています。
阿部守一知事の長野県は、「多文化共生MIRAI会議in信州」を11月22日に開催することを発表しました。県内の外国人住民数が約4万7千人に達し、10年前の約1.5倍に急増する中、2050年の信州の姿を見据えた多文化共生社会の実現に向けて、県民とともに未来を考える初の大型イベントです。
急増する外国人住民と深刻化する課題
長野県の在留外国人数は12月末時点で4万6850人となり、前年比8.4%の大幅増加を記録しています。10年前と比較すると約1.5倍の増加で、県総人口に占める外合は2.05%に達しました。特にベトナム国籍の住民が6426人と急増し、ブラジル、フィリピンに次いで国籍別で第2位を占めています。
この背景には、技能実習制度に加えて特定技能や技術・人文知識・国際業務といった新たな在留資格の拡大があります。長野県内の外国人労働者数も昨年には2万4000人余りと過去最多を更新し、ベトナム人が全体の25%を占めるまでになっています。農業、製造業、建設業からスキーリゾートのホテル業まで、外国人材は県内経済の重要な担い手となっています。
しかし、この急激な変化は新たな課題も生み出しています。県の多文化共生相談センターには年間1782件の相談が寄せられ、言葉の壁による行政手続きの困難、医療通訳の不足、児童相談における意思疎通の問題など、生活全般にわたる支援ニーズが顕在化しています。
「外国人の同僚が増えたけど、お互い何を考えているかよくわからない」
「災害時に外国人住民の安全をどう確保すればいいのか不安」
「子どもの学校に外国籍の生徒がいるが、言葉の問題で交流が難しい」
「25年後の長野がどうなっているか想像できないけど、みんなで暮らしやすい社会にしたい」
「多文化共生って言葉は聞くけど、具体的に何をすればいいのかわからない」
実践者が語る多文化共生のリアル
今回の会議は独立行政法人国際協力機構(JICA)東京センターとの共催で実施されます。JICAは近年、海外協力隊経験者の知見を活かした国内の多文化共生支援に力を入れており、昨年には多文化共生・外国人材受入寄附金を創設するなど、地方自治体との連携を強化しています。
第1部の「実践から学ぶ多文化共生」では、4名の登壇者が現場の経験を共有します。サン工業株式会社の取締役、JICA海外協力隊OV、ベナン共和国出身で伊那市消防団員として活動する方、フィリピン共和国出身で飯田市の外国籍児童生徒共生支援員として働く方が参加し、それぞれの立場から多文化共生の可能性と課題について語ります。
特に注目されるのは、外国出身者が地域の重要な役割を担っている事例です。消防団員として地域防災に貢献する外国人住民や、教育現場で同じ境遇の子どもたちを支援する外国籍支援員の存在は、多文化共生が一方的な支援ではなく、相互貢献の関係であることを示しています。
2050年を見据えた未来設計
第2部のワークショップ「未来の信州を考える」では、今から25年後の2050年を想定した議論が行われます。人口減少が進む中で外国人住民の比率はさらに高まると予想され、白馬村や川上村などでは既に外国人住民の割合が10%を超えている地域もあります。
長野県は来年から「多文化共生推進本部」を設置し、阿部知事をトップとする全庁的な取り組みを開始します。多文化共生、外国人材受け入れ、外国人児童生徒教育の3つのワーキンググループを設置し、多言語対応の推進、医療通訳体制の整備、日本語教育の充実などを重点課題として位置づけています。
2050年の信州では、現在の課題が解決され、国籍や文化の違いを超えて全ての住民が安心して暮らせる社会の実現が期待されています。そのためには、行政だけでなく企業、地域住民、外国人住民自身が協力して、新たな共生のモデルを構築していく必要があります。
国の施策と連動した取り組み
この事業は一般財団法人自治体国際化協会の助成を受けて実施されるもので、国レベルの多文化共生推進施策と連動しています。総務省が2006年に策定した「地域における多文化共生推進プラン」から約20年が経過し、外国人住民の多国籍化や定住化が進む中で、新たな共生社会のあり方が模索されています。
長野県の取り組みは、地方から国全体の多文化共生を牽引するモデルケースとしても注目されています。観光立県として外国人来訪者の受け入れ経験が豊富な長野県だからこそ、住民としての外国人との共生についても先進的な取り組みが期待されているのです。
今回の会議で議論される内容は、今後の県の多文化共生施策に反映され、2050年に向けた長期的な取り組みの方向性を決める重要な機会となります。