2026-04-03 コメント投稿する ▼
参院予算委で仁比聡平が旧姓通称使用批判「選択的夫婦別姓こそ解決策」
地方議員らは「旧姓通称使用の法制化を実現すれば不便は解消できる」と主張していますが、議論の前提が選択的夫婦別姓制度と切り離して考えられていることに批判の声もあります。 世論調査では、選択的夫婦別姓の導入に賛成する声が多いという結果もあり、今後の議論が注目されています。
参院予算委で旧姓通称使用めぐる質疑紛糾
3日、参議院予算委員会で日本共産党の参議院議員・仁比聡平氏が、高市政権が検討している「旧姓の単独使用」の法制化案について、政府側を追及しました。仁比氏は長年生きてきた姓の尊重や生活上の不便さを指摘し、「選択的夫婦別姓の導入こそが解決策だ」と強く訴えました。今回の質疑は、民法に定められた夫婦同姓制度をめぐる根本的な議論が国会で交わされた格好となりました。
政府は現在、婚姻後でも旧姓を社会生活上で通称として単独使用できるようにする法制化の方向を検討しています。しかしこの案について、仁比氏は「旧姓は通称にすぎず、法律上の『唯一無二の氏』として認めないまま社会生活上の使用だけを促すのは矛盾だ」と指摘しました。民法で定められた夫婦同姓という原則をそのままにしながら旧姓使用を拡大する試みは、氏と戸籍制度の意義を曖昧にすると主張しています。
一方、平口洋法務大臣や男女共同参画担当相の黄川田仁志氏は、旧姓通称使用の法制化について明確な答弁を避け、政府側の検討状況の説明が十分になされない場面もありました。政府側は現行戸籍制度を維持しつつ「不便の解消を図る」とするにとどまり、実効性ある制度設計の詳細について示せないままでした。こうした不透明さは国会内外から批判を招いています。
旧姓通称使用では不便解消にならない現状
日本社会では、結婚後に夫婦同氏を選択することが民法で義務付けられており、結婚に伴う改姓によって生活上の不便が指摘されています。例えば、職業や契約、身分証明などで旧姓の使用が制限される事例が存在し、旧姓の通称使用拡大が求められてきました。自治体の住民票や運転免許証・パスポートなどで旧姓を併記する制度は一部で進んでいますが、法的根拠がなく通称使用だけでは不便解消が十分ではないとの指摘があります。
公明党など一部与党内部でも、旧姓通称使用の法制化をめざす動きがあり、党本部でも関連の要望活動が行われています。地方議員らは「旧姓通称使用の法制化を実現すれば不便は解消できる」と主張していますが、議論の前提が選択的夫婦別姓制度と切り離して考えられていることに批判の声もあります。
選択的夫婦別姓が解決策との主張
仁比聡平氏は「旧姓の通称使用だけでは根本的な解決にならない」と強調しました。旧姓を単独で法的に認める試みは民法の根幹と矛盾するとしたうえで、「選択的夫婦別姓の制度こそが、当事者の意志やアイデンティティーを尊重するシンプルな解決の道だ」と訴えました。選択的夫婦別姓とは、結婚の際に夫婦が同じ姓を名乗るか別々の姓を保持するかを本人の意思で選べる制度です。
国会や政党内でも、選択的夫婦別姓制度の導入に向けた議論は続いています。公明党や立憲民主党、国民民主党、共産党など多くの政党が選択的夫婦別姓の導入を支持していますが、一方で自民党内には慎重派や反対意見も根強い状態です。石破茂元幹事長は過去に導入への意欲を示したことがありますが、党内対立が議論を難しくしています。
世論調査では、選択的夫婦別姓の導入に賛成する声が多いという結果もあり、今後の議論が注目されています。ある調査では、選択的夫婦別姓に賛成する世論は約42%に達しており、旧姓通称使用の拡大を望む声も含めて議論が活発化していることがうかがえます。
選択的夫婦別姓議論は国民生活に直結
今回の予算委員会での質疑は、旧姓通称使用という政府案の不透明さが露呈した形となりました。同時に、選択的夫婦別姓をめぐる議論が国会で具体的に問われる契機にもなっています。
婚姻に伴う改姓が個人の生活やアイデンティティーにどのような影響を及ぼしているのかという問題は、男女共同参画社会や人権の観点から捉えられるべき重要な課題です。制度の整備によって当事者の希望や不便を解消するには、根本的な制度設計が必要だという点が改めて浮き彫りになっています。