2025-11-19 コメント投稿する ▼
社民党新垣邦男衆院議員離党承認で結党初の衆院議席ゼロ
社民党は2025年11月19日、沖縄2区選出の新垣邦男衆議院議員(69)の離党を正式に承認しました。 これにより、社民党は1996年の結党以来初めて衆議院議席を失い、所属国会議員は福島瑞穂党首とラサール石井氏の参議院議員2人のみとなりました。
新垣邦男氏離党承認
社民党が結党以来初の衆院議席ゼロ 党存続危機で議員は参院2人のみ
社民党は2025年11月19日、沖縄2区選出の新垣邦男衆議院議員(69)の離党を正式に承認しました。これにより、社民党は1996年の結党以来初めて衆議院議席を失い、所属国会議員は福島瑞穂党首とラサール石井氏の参議院議員2人のみとなりました。
高市政権下での野党第一勢力から転落
高市早苗氏が2025年10月21日に日本初の女性首相として就任して以降、左派政党は厳しい立場に追い込まれています。高市首相は所信表明演説で「世界が直面する課題に向き合い、世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す」と述べ、積極的な安全保障政策を展開しています。社民党幹事長の服部良一氏が談話で表明した「高市政権が発足し、今日果てしなき軍拡、憲法の破壊、差別排外主義の跋扈が留まることを知らない極めて危険な政治情勢下にある」との懸念は、多くの国民に共有されています。
「社民党がなくなったら、憲法を守る政党がなくなってしまう」
「新垣さんの離党は残念だが、沖縄の基地問題を考えると仕方ない」
「福島瑞穂さんももう限界でしょう。世代交代が必要だった」
「社民党って結局、何をしたい政党なのかよくわからない」
「高市政権に対抗するためには、もっと大きな政党との連携が必要」
党勢拡大戦略の決定的な見解相違
新垣氏は離党の理由について、党勢拡大への方策を巡り、党内で「見解の相違があった」と説明しました。具体的には、衆院の議席拡大に向け、参院議員の福島党首に衆院選へのくら替え出馬を求めたものの、受け入れられなかったことが決定的な対立点となりました。
新垣氏は「衆院で社民党はたった一人。なかなか思いを伝えられず、どうしても2人以上ほしいという思いがあった」と悔しさをにじませています。国会では単独での会派結成に最低2人の議員が必要であり、現在社民党は立憲民主党との合同会派に依存している状況でした。
沖縄有権者への説明責任問題
服部幹事長は談話で「沖縄2区の選挙区の議席はまさに地元『有権者との契約』とも言うべきものであり、議員個人が勝手に判断できるものではないはずである」と厳しく批判しました。新垣氏は2021年10月の第49回衆議院議員総選挙で社民党として初当選し、2024年の第50回総選挙でも再選を果たしたばかりです。
沖縄2区は普天間基地問題を抱える宜野湾市を中心とした選挙区で、反基地運動の象徴的な地域です。社民党は沖縄において照屋寛徳氏をはじめとする国会議員を輩出し、一貫して反基地の立場を貫いてきました。新垣氏の離党は、こうした社民党の歴史的使命を放棄する行為だとの批判が党内外から上がっています。
政党要件は維持も存続危機は深刻
社民党は2025年7月の参院選でラサール石井氏を比例代表として擁立し、得票率2%超を確保したため政党要件は失わないものの、ラサール石井氏が立候補していなければ政党要件を確保できなかったとの厳しい現実があります。
戦後左派政治の象徴だった旧社会党から数えて約80年、社民党としても約30年の歴史を持つ政党が、ついに衆議院から姿を消すこととなりました。全盛期には政権与党の自民党と争い、選挙による政権交代の期待すらありましたが、現在は政党要件を失いそうな状況まで追い込まれています。
現在の高市政権による積極的な防衛政策や憲法改正への意欲を考えれば、護憲勢力としての社民党の役割はむしろ重要性を増しているはずです。しかし、党勢拡大に向けた戦略で内部分裂を起こし、唯一の衆議院議席まで失ってしまったことは、政治的失策と言わざるを得ません。福島瑞穂氏の長期政権による党運営の硬直化と、新たな人材育成の失敗が今回の事態を招いた根本的な要因と考えられます。
社民党は今後、参議院議員2人だけで党の再建を図ることになりますが、次回の衆議院選挙での議席回復は極めて困難な情勢です。左派政治の歴史的転換点として、この離党劇は記録されることでしょう。