2026-03-06 コメント投稿する ▼
島根原発プルサーマル計画に住民説明不十分と批判、27回延期の六ヶ所再処理工場が前提の危険な計画
**27回も延期された六ヶ所再処理工場の完成が前提のこの計画は、住民への説明も不十分なまま進められようとしています。 島根原発2号機でのプルサーマル計画について、中国電力は2026年1月に島根県と松江市に対して関係自治体への説明を行っています。 六ヶ所再処理工場は使用済みウラン燃料を再処理する工場であり、MOX燃料を再処理するところではありません。
中国電力島根原子力本部の三村秀行本部長氏と井田裕一副本部長氏が出席し、プルサーマル発電の仕組みや必要性、安全性について説明しました。プルサーマル発電は、原発の使用済み核燃料を再処理し、取り出したプルトニウムとウランを混ぜた混合酸化物燃料(MOX燃料)を再び原発で利用する発電方式です。
六ヶ所再処理工場は27回も延期
委員会では、MOX燃料の使用実績がある原発で問題はなかったかとの質問に対し、中国電力側は海外も含めてトラブルの報告はないと答えました。しかし、完成時期が27回延期された青森県六ヶ所村の再処理工場が現時点で目標とする2026年度中に完成しなければ計画は中止すべきだという意見に対しては、現段階で何か判断するという状況にはないと答えるにとどまりました。
「六ヶ所再処理工場は27回も延期されて信頼性ゼロなのに」
「プルサーマルは危険性が高いことは専門家が指摘している」
「住民への説明が不十分なまま進めるのは無責任だ」
「使用済みMOX燃料の処分方法も決まっていないではないか」
「核燃料サイクル政策は完全に破綻している」
六ヶ所再処理工場は1993年に着工しましたが、トラブルが相次ぎ完成時期は27回も延期されてきました。2024年8月、日本原燃株式会社は2024年度上期としてきた完成目標を2026年度内に延期すると発表しました。青森県の宮下宗一郎知事氏は「新たな工程を示しても信頼できない」と厳しく批判しています。
当初1997年の竣工を目指していた再処理工場は、着工から30年以上を経ても未だ完成していません。総事業費は約17兆5000億円にまで膨らみ、電気料金を通じて国民が負担している形です。このような状況で、プルサーマル計画の前提となる再処理工場が本当に稼働できるのか、大きな疑問符がつきます。
住民への説明は「丁寧に検討」と曖昧な回答
委員会で住民への説明を求める意見が出されたのに対し、中国電力側は「皆様方にご理解いただけるようなやり方を丁寧に検討していきたい」と述べるにとどまりました。具体的な説明会の開催時期や方法については明言を避けた形です。
島根原発2号機でのプルサーマル計画について、中国電力は2026年1月に島根県と松江市に対して関係自治体への説明を行っています。実施時期については、必要な許可申請などを踏まえると一般的には早くても2から3年かかるとの見方を示していますが、2029年度の開始を想定していることが明らかになっています。
しかし、島根県と松江市は2009年にすでに事前了解しており、丸山達也知事氏は改めての同意手続きは必要ないとの考えを示しています。2009年から17年も経過した今、住民への丁寧な説明なしに計画を進めることは許されません。
プルサーマルの危険性と問題点
プルサーマルには多くの問題点が指摘されています。まず、MOX燃料はウラン燃料に比べて放射能が高いため、作業員の被曝リスクが高まります。また、プルトニウムは中性子を吸収しやすい性質があるため、制御棒の効きがわずかに低下し、安全余裕が削られます。
さらに深刻な問題は、使用済みMOX燃料の処分方法が決まっていないことです。六ヶ所再処理工場は使用済みウラン燃料を再処理する工場であり、MOX燃料を再処理するところではありません。使用済みMOX燃料はプルトニウムの濃度が高く、臨界の危険性などから六ヶ所では再処理できません。
国と電力会社は第二再処理工場を検討すると言っていますが、六ヶ所再処理工場でさえトラブルや事故が相次いで完成のめどが立たない状況です。使用済みウラン燃料よりもっと困難なMOX燃料の再処理が実現する見通しはまったくありません。
核燃料サイクル政策の破綻
そもそも核燃料サイクルは、高速増殖炉によるプルトニウム燃料の増産が目的でした。しかし、高速増殖炉「もんじゅ」は1995年のナトリウム漏れ事故以降、長期間停止し、2016年に廃炉が決定しました。その実現が困難となった今、核燃料サイクルを継続する意義はありません。
プルサーマルの最大の目的は、余剰プルトニウムを持たないという国際公約の実行です。プルトニウムは核兵器の材料にもなることから、国際的な疑念をかわそうとしているだけではないでしょうか。資源の有効利用という名目で進められていますが、実際には再処理しても再利用できるのはわずか2パーセント程度にすぎません。
ウラン資源の有効利用といいますが、ウランの可採埋蔵量は当初の想定よりも多いとみられ、供給元もカナダやオーストラリアなど多様です。仮に供給安定性を図るなら、ウランの備蓄のほうが安価で合理的です。
住民の安全を最優先に
中国電力は2026年2月に主変圧器冷却ファン中継端子台で火災を起こすなど、トラブルが絶えません。このような状況で、さらに危険性の高いプルサーマル発電を実施することは、住民の安全を脅かすものです。
原子力資料情報室などの専門家は、プルサーマルによって原発がこれまで持っていた安全余裕を確実に削ってしまい、事故がより起こりやすくなると警告しています。構造には手をつけない間に合わせの対策に過ぎないため、事故に耐える力を削いでしまうことになるというのです。
六ヶ所再処理工場が27回も延期を繰り返し、完成のめどが立たない中で、プルサーマル計画を進めることは無責任です。住民への十分な説明もないまま、既成事実を積み上げようとする姿勢は許されません。島根県議会は、住民の安全を最優先に考え、この計画に慎重な審議を求めるべきです。