2025-07-06 コメント投稿する ▼
風営法改正と長期ビジョンで挑む塩村文夏 給付に頼らぬ地道な選挙戦に注目集まる
風営法改正を“自分ごと”で語る説得力
東京選挙区で最も堅実に政策を語る候補者のひとり、それが立憲民主党の塩村文夏氏だ。第27回参議院議員選挙で32人が立候補し、7議席を争う超激戦区の中にあっても、塩村氏はブレない政策姿勢を貫いている。
4日、下北沢駅前で行われた街頭演説には平日にもかかわらず約100人が集まり、足を止めた。開口一番、塩村氏が語ったのは、若者の安全に直結する「風俗営業法(風営法)」の改正についてだった。
「警察からは最初、『風営法は一丁目一番地だから、絶対に触らせない』と言われたんです。でも、悪質ホスト問題やトクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)が広がる中で、彼らもさすがに危機感を持ち、態度が変わった。そこから法改正まで進んだんです」
若年層の被害が多いホスト業界や反社絡みのトラブルに真正面から切り込んだ実績を、本人の言葉で語る姿に、会場からは拍手と「そうだ!」の声が上がる。高校生や若い女性の姿も見られ、若年層からの支持の広がりを感じさせた。
「他の候補が避けるテーマを、ど真ん中で話してて信頼できた」
「風営法って難しそうなのに、話がスッと入ってきた」
「下北で風営法の話をするって、地域見てるってこと」
「若い子が前の方で真剣に聞いてたのが印象的」
「演説というより、真剣な“説明”だった」
「給付と減税では不十分」長期視点の経済政策
物価高対策について塩村氏は、「給付と減税だけでは絶対にダメ」と明言する。その場しのぎの政策ではなく、再生可能エネルギーやエネルギー自給率の向上といった、国全体の構造を変えるアプローチを打ち出している。
「分かりにくくて、選挙向きの公約ではないかもしれない」と語りながらも、「参議院議員の6年任期は長期的な政策を実現するためにある」と訴える姿勢には、真摯な覚悟がにじむ。
これは、ただのバラマキを避け、本質的な経済再生を目指すという点で、現実的な中長期ビジョンを提示しているともいえる。目先の「配る政治」ではなく、「育てる政治」を志す、塩村氏らしい主張だ。
“知名度選挙”ではなく政策勝負を
同世代で女性のライバルとなる山尾志桜里氏の出馬については、「無党派層に影響はあるかもしれない」としながらも、「支持層はかぶっていない」と冷静に分析。あくまで自分の政策を地道に届けることに専念している。
AERAの当落予測で「当選確実」との高評価がついていることを伝えられても、「いやいや、そんなことないですよ」と笑顔でかわす姿に、選挙戦に対する緊張感と現職としての責任が垣間見える。
さらに、塩村氏は若者へのメッセージにも余念がない。演説の合間にも高校生に自ら声をかけ、ビラを手渡すなど、“双方向の政治”を体現していた。支持拡大を狙う多くの候補がSNSに偏る中、リアルな対話を重視する姿勢は、今の政治に欠けている部分を補うものといえる。
「一人くらい、こういう候補を選んでもらえたら」
選挙演説で支持を集めようと、多くの候補がわかりやすいキャッチフレーズやバラマキ政策を叫ぶ中、塩村文夏氏は一貫して「伝わりづらいかもしれない本質的な政策」を語り続けている。
「砂漠に水をまいているようなもの」と自ら言いつつも、聞いた人には確実に届いているという自負がある。だからこそ、彼女はこう締めくくる。
「東京選挙区には7つの議席があります。だったら一人くらい、長期視点の政策を訴えている候補を選んでもらえるんじゃないかって、そう信じてます」
その言葉には、実績と信念、そして有権者に対する静かな期待が込められていた。