2025-10-26 コメント: 3件 ▼
大椿ゆうこ副党首の「ヤジを誇る」発言に強い批判 議会軽視の構図が浮上
大椿氏の発言にあるように「ただ聞くのは認めたことにつながる」という論理は、議場での異論・反対の手続きを軽視しており、公式な審議手続きでの意見提示・質疑応答を迂回する正当化となる恐れがある。 大椿氏が「一番デカい声でヤジを飛ばしていた」とするのは、声の大きさこそが活動成果であるかのような誤ったメッセージを有権者に送る。
ヤジを誇る発言に物申す/大椿ゆうこ副党首が議会を軽視
社民党副党首の大椿ゆうこ氏が自身のSNSに投稿し、議会内でのヤジ(口頭での非公式な発言や声出し)を“指摘・否定”の手段として正当化し、さらには自身も「一番デカい声でヤジを飛ばしていた」と述べた。氏は「そもそも、なぜヤジるかわかりますか? 所信表明演説に看過できない点があるからですよ。それは、誤った方向性を提示していたり、確信に触れなかったり、中途半端だったり、差別的だったりする部分です。それを聞いた時に、間髪入れずに指摘・否定する事が大事。ただ聞くのは認めた事につながる」とも投稿している。
この発言は、議会という場の議論と審議の質を軽視し、ヤジを“議会活動の一部”と捉える危険な姿勢を明示しており、議会民主主義の根幹を揺さぶるものとして強く批判されなければならない。
議会はヤジを飛ばす場所ではない
議会は、国民の代表たちが法案を審議し、政策を公開の場で討論し、責任を負って決定する場所である。ヤジは往々にして討論を妨げ、議論を表面的な“騒ぎ”に変えてしまう。議員が「ヤジを飛ばすこと」を誇るような態度を示せば、議会の品位と信頼性が損なわれる。
しかも大椿氏の発言にあるように「ただ聞くのは認めたことにつながる」という論理は、議場での異論・反対の手続きを軽視しており、公式な審議手続きでの意見提示・質疑応答を迂回する正当化となる恐れがある。議員として、適切な質疑・反対・討論の手続きを守るべきであって、ヤジを「正当手段」とすることは到底容認できない。
「そもそも、なぜヤジるかわかりますか? …ただ聞くのは認めた事につながる」
「誤った方向性を提示していたり、確信に触れなかったり、中途半端だったり、差別的だったりする部分です」
「間髪入れずに指摘・否定する事が大事」
「ちなみに先の国会で、一番デカい声でヤジを飛ばしていたのは確実に私」
「立憲とは会派が同じだったが、ヤジ部隊もないし、ヤジの内容も個人が判断」
SNS上にはこのような発言が並び、議員の討論責任よりヤジ飛ばし責任を誇る構図に対する批判が強まっている。議会に対する敬意が欠如しており、選挙で選ばれた議員としての品格を問われても仕方ない。
軽視される審議・質疑の役割
議員がヤジを「必要」と明言し、自ら誇る姿勢は、質疑・討論・採決という議会の機能を逸脱している。審議の場での発言は、証拠・論理・根拠に基づいて行われるべきであって、瞬発的なヤジや声量が価値を持つわけではない。大椿氏が「一番デカい声でヤジを飛ばしていた」とするのは、声の大きさこそが活動成果であるかのような誤ったメッセージを有権者に送る。
さらに「聞くだけでは認めたことになる」という論理は、議会での正式な反対意見や法案修正提案を軽視しており、議会制度を軽く見る態度と言わざるを得ない。
政治家としての責任と説明責任
大椿氏は、労働・雇用・非正規問題などで真摯に質問活動をしてきた。また、非正規労働者としての自身の経験を政治に活かす姿勢も報じられている。しかし、ヤジを飛ばすことを「役割」として掲げる発言は、そうした真摯な活動の信頼を逆に損ねる。議員が「どんなヤジを飛ばしたか」を自慢することは、有権者に「立ち会いの議論ではなく、騒ぎ立てた者勝ち」という印象を与え、政策の中身より演出が重要という錯覚を助長する。
政治家である以上、発言には説明責任がある。「何をしたか」ではなく「何を言ったか」にこだわる姿勢は、議員としての職責を果たしていない。
国会の信頼を取り戻すために
今、国民の政治離れ・議会不信は深刻な問題である。こうした状況だからこそ、議会を構成する議員は、声の大きさではなく、思想・根拠・筋道を重視すべきだ。ヤジを“必要”と言い切ることは、議会の役割を軽視し、国民が政治に寄せる期待を裏切る行為である。
大椿氏はその影響力を持つ立場にある。だからこそ、「ヤジを飛ばして当たり前」という文化を自ら促すのではなく、審議・討論・質疑の正当なプロセスを守る姿勢を示すべきだ。議場で声を張るだけではなく、理論を立てて反対し、提案を出す――その誠実さこそが、選ばれた議員の責務である。
もし議会の機能を守り、民主主義を信頼させたいのであれば、ヤジを戦術化する政治家ではなく、議論を深化させる政治家を支持すべきだ。大椿氏には、まずこの点に向き合っていただきたい。
 
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			      