2025-10-31 コメント投稿する ▼
城内実成長戦略相、税率引き上げなしで税収増へ―責任ある積極財政の構想、高市内閣
城内実成長戦略相は31日、産経新聞のインタビューで、高市早苗首相が掲げる「責任ある積極財政」路線を明確に打ち出し、戦略的な財政出動によって税率を引き上げることなく税収を増やせる経済構造を目指すとの考えを示しました。
城内実成長戦略相、「税率上げずに税収増」を政策の要諦に
城内実成長戦略相は31日、産経新聞のインタビューで、高市早苗首相が掲げる「責任ある積極財政」路線を明確に打ち出し、戦略的な財政出動によって税率を引き上げることなく税収を増やせる経済構造を目指すとの考えを示しました。城内氏の発言は、積極的な経済対策と財政規律のバランスを重視する高市政権の経済哲学を象徴しており、物価高や円安といった経済課題に直面する国民生活への具体的な対応方針として注目されます。高市首相が掲げる3本の柱は、生活の安全保障と物価高対応、危機管理投資と成長投資による経済強化、そして防衛力・外交力の強化です。
「税率上げずに税収が増える仕組みが本当にできるなら、それは理想的だ。」
「放漫財政やばらまきと言われないよう、財政規律も守る。そこが『責任ある』という意味だと思う」
「日本銀行との連携も大事。政府と日銀が協力できれば、経済成長の可能性はもっと高まる」
「急激な価格変動は避けるべき。段階的に補助金を調整していく判断が賢明だと感じる」
「グローバルな投資競争の中で、日本も戦略的投資を素早く決行できる国体に変わらないと」
所得拡大と消費マインドの改善、税収増を生む循環の構想
城内氏は、「責任ある積極財政」と従来の経済財政運営の相違を説明する際、所得増を基軸とした経済の好循環メカニズムを強調しました。戦略的な財政出動により家計の所得を増やし、それが消費マインドの改善をもたらし、事業収益が上昇し、その結果として法人税などの税収が自動的に増加するというシナリオです。このアプローチは、従来の「減税は税収減につながる」という緊縮財政派の主張に対する明確な反論となっており、高市政権の経済成長戦略の中核を成しています。
城内氏は同時に、国債の増発懸念に対しても言及しました。国債増発による円売り圧力から物価高につながるという指摘に対して、同氏は「財政規律を捨てて財政の信認を揺るがすことは考えていない」と明言し、「財政の信認さえ揺るがなければ、あらゆる手段を使っていい」と述べ、政策手段の選択肢を柔軟に保つ姿勢を示しました。この言及は、デフレ脱却と経済成長を優先しつつも、国債市場の安定性には配慮する、微妙なバランス感覚を映し出しています。
官民連携と危機管理投資の戦略的展開
城内氏が強調した「危機管理投資」は、経済安全保障分野における官民連携の強化を意味します。民間企業だけでは対応困難な国家的課題に対して、政府が戦略的に投資することで、民間の力を引き出しながら経済成長につなげるという戦略です。城内氏の説明によれば、世界共通のリスクや社会課題に対応した製品やサービス、インフラを提供できれば、日本国内の産業競争力強化だけでなく、海外市場での需要創出にも結びつくと考えられます。
このアプローチは、半導体やAI、防衛技術など、グローバルな競争が激しい先端産業分野での日本の地位を高めることを狙いとしています。同時に、経済安全保障という名目での投資は、国家の主権維持と経済成長の両立を目指すもので、米国との対抗軸が鮮明化する国際情勢の中での日本の戦略的ポジション確保を反映しているとも言えます。
物価高対策と賃上げ環境整備の緊急課題
高市政権が最優先課題として掲げている物価高への対応について、城内氏は政府による継続的な賃上げ環境整備の重要性を強調しました。11月1日より実施予定のガソリン税暫定税率廃止も、その一環として位置付けられています。この政策により、生活必需品のコストが低下することで、家計の実質購買力が回復し、消費拡大から企業業績向上へという好循環が生まれると政府は想定しています。
ただし、城内氏の発言には慎重さも見られます。「党派を超えた議論も踏まえ」との表現は、総合経済対策の策定に当たって、野党や経済界との調整を重視する姿勢を示唆しており、高市首相の掲げる連立与党内(自民党・公明党・日本維新の会など)での政策合意だけでなく、より広範な社会的コンセンサスを構築しようとする意図が伺えます。