2025-04-22 コメント投稿する ▼
ラピダス設立は経産省主導か 兆円規模の公的資金に岩渕議員が警鐘
ラピダス設立、経産省との一体性が浮き彫りに
2025年4月22日、参議院経済産業委員会において、日本共産党の岩渕友議員は、半導体企業ラピダスの設立に関し、経済産業省との密接な関与を追及した。岩渕氏は、2022年に設立されたラピダスに対し、兆円規模の公的資金が投入されることを問題視し、「1社に恒常的な支援を行う仕組みは許されない」と強調した。
岩渕氏は、ラピダス設立前の2020年11月、同社の小池淳義社長と東哲郎会長が、米IBMからの提案を受けて経産省の審議官と面会した事実を指摘。さらに、2021年3月には、両氏が経産省の情報産業課長に事業計画を説明し、前向きな反応を得たこと、同年5月には自民党の半導体戦略推進議員連盟で事業説明を行い、経産省の局長が「やりましょう」と発言したことを明らかにした。これらの事実から、岩渕氏は「ラピダスは国策として動き出しており、経産省が最初から設立を進めたのではないか」と追及した。
公的資金の巨額投入とその問題点
経済産業省は、2025年度にラピダスへ最大8025億円の追加支援を決定し、これまでの累計支援額は1兆8225億円に達する。政府は、2027年に2ナノメートル半導体の量産を目指すラピダスの取り組みを支援しており、北海道千歳市に建設中の工場での生産準備が進められている。
しかし、日本共産党の辰巳孝太郎議員は、ラピダスなど一部の半導体企業に対する10兆円以上の公的支援を批判。過去のエルピーダメモリの破綻を例に挙げ、「同じ失敗を繰り返すことは容認できない」と述べた。また、ラピダスが米軍用半導体の生産を担う可能性についても懸念を示し、国民負担の増加を警告した。
政府の支援体制とモラルハザードの懸念
政府は、ラピダス支援を念頭に、複数年にわたる「AI・半導体産業基盤強化フレーム」を導入。これにより、民間投資の促進を図る一方で、過度な公的支援が企業の自立性を損なう「モラルハザード」のリスクも指摘されている。過去のエルピーダの失敗を教訓に、政府は慎重な対応が求められている。
情報公開と透明性の確保が課題
ラピダスへの巨額支援に対し、政府の情報公開の姿勢にも疑問が呈されている。辰巳議員は、ラピダスの支援に関与する経産省職員や個人株主の調査、情報公開を政府が拒否していることを問題視し、「公共政策をゆがめる利益誘導や企業との癒着の問題も重大だ」と指摘した。今後、政府は透明性の確保と説明責任を果たすことが求められている。
- ラピダス設立に経産省が初期段階から関与していた可能性が指摘されている。
- 2025年度の追加支援8025億円を含め、累計支援額は1兆8225億円に達する。
- 過去のエルピーダメモリの破綻を教訓に、過度な公的支援への懸念がある。
- 政府の情報公開と透明性の確保が今後の課題となっている。