2025-02-14 コメント投稿する ▼
参院調査会、ガザ地区支援とICCの役割について質疑
UNRWAの重要性とその活動
日本共産党の岩渕友議員は、ガザ地区での人道危機が深刻化する中、停戦合意の成立が国際世論の成果であると指摘し、停戦の恒久化や人道支援、復興に向けた国際社会の働きかけの重要性を強調した。
また、ガザで支援活動を行う国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の役割の重要性について質問した。
UNRWAは、パレスチナ難民への教育、医療、社会福祉などの支援を行っており、その活動は現地の人々の生活に不可欠なものとなっている。
しかし、現在、イスラエルではUNRWAの活動が法律で禁止されており、その影響が懸念されている。
専門家の見解
防衛大学校の立山良司名誉教授は、ヨルダン川西岸におけるUNRWAのスタッフが約13,000人にのぼり、トラック運転手や教師、医師、看護師など多様な職種が支援物資の配給システムを支えていると説明した。
他の国連機関では実現できない支援体制をUNRWAが構築していることから、その活動の重要性を強調した。
立山教授は、「活動は非常に大きな障害を受け、ガザの支援、復旧復興に大きな障害になる」と述べ、UNRWAの活動停止が現地の人道支援に与える影響を懸念した。
国際刑事裁判所(ICC)の役割と課題
岩渕氏は、米国のトランプ大統領が、ガザ攻撃を進めてきたイスラエルのネタニヤフ首相に逮捕状を発令した国際刑事裁判所(ICC)の職員に制裁できるとする文書に署名したことを批判し、ICCの役割について質問した。
立命館大学の越智萌准教授は、「国際社会にも刑事制裁という法順守の仕組みがある。そういう制度がありつづけることが重要」と語り、ICCの機能維持の重要性を訴えた。
ICCは、戦争犯罪や人道に対する罪を裁く国際的な司法機関であり、その独立性と権限が国際社会の法の支配を確立する上で重要な役割を果たしている。
しかし、米国の制裁や一部の国々の反発により、ICCの機能や権限が制約される可能性があり、その運営に対する懸念が高まっている。
日本の役割と国際社会への働きかけ
質疑を通じて、日本が平和憲法を持つ国として、国際紛争解決の手段として戦争を放棄する立場から、国際社会における人道支援や平和構築に積極的に関与する重要性が再認識された。
日本は、過去にカンボジア内戦の平和的解決に貢献した実績があり、今後も国際社会の一員として、UNRWAの支援活動やICCの機能維持に向けた取り組みを強化することが求められている。