2025-04-01 コメント投稿する ▼
NHK、過労死防止に向けた改革強化 伊藤議員の要求に稲葉会長が応じる
■ 放送現場の労働環境
NHKの放送現場では、正社員に加え、制作会社やフリーランスなど、さまざまな雇用形態の人々が働いています。2021年にこれらの職種も労災保険の対象となったものの、依然として過酷な労働環境が続いているという現実があります。
■ 長時間労働の実態
「過労死等防止白書」によると、特に芸能分野で働く技術スタッフの46.2%が、1週間に60時間以上働いていると回答しています。舞台監督や制作関係者も40.7%が同様の長時間労働を強いられていると答えており、放送業界の労働環境には深刻な問題が残されています。
■ NHKの取り組みと改革の方針
これに対し、稲葉会長は、NHKグループとしての「働き方改革宣言」を紹介しました。この改革の一環として、番組のスタジオ収録は原則22時に終了し、大河ドラマや連続テレビ小説も21時には収録を終わらせることを目指していると言います。また、収録が予定より延長された場合には、翌日の撮影開始時間を遅らせるなど、過重労働を防ぐための措置を講じているとのことです。
■ 「過労死防止」への強い意志
伊藤議員は、昨年3月にNHK職員の労災認定があったことを指摘し、「30%の削減では過労死を防ぐには不十分ではないか」と改めて疑問を呈しました。稲葉会長はこれに対し、「30%の削減で終わるわけではなく、段階的に3年以内には完全になくすことを目指している」と、過重労働の撲滅に向けて強い意志を示しました。
■ 予算承認と今後の課題
この日の参議院本会議では、2025年度のNHK予算が賛成多数で承認されましたが、伊藤議員の指摘が示すように、NHKにはまだ多くの課題が残っています。特に、放送現場で働く人々の健康と安全が最優先で確保されるべきだという声は、今後も強まるでしょう。
- 伊藤岳議員がNHKの働き方改革とハラスメント根絶を強く要求。
- NHK放送現場で長時間労働が続いており、労働環境の改善が急務。
- 稲葉会長は、働き方改革と連続勤務削減の取り組みを強調。
- 過労死防止のため、段階的に3年で連続勤務をゼロにする方針を示す。
- 2025年度予算が参議院で承認されたが、労働環境改善には更なる取り組みが必要。