2025-08-18 コメント投稿する ▼
中谷防衛相、ジブチ大統領に謝意 海外唯一の自衛隊拠点で協力強化へ
ジブチ大統領と会談 自衛隊拠点への協力に謝意
中谷元防衛相は18日、アフリカ東部ジブチを訪問し、ゲレ大統領と会談した。ジブチには自衛隊が海外で唯一持つ拠点があり、中東やアフリカ情勢が不安定化した際には邦人退避や輸送の拠点となる。中谷氏は土地提供をはじめとする協力に謝意を示し、今後も地域の安定と連携を深める考えを伝えた。
「海外唯一の拠点は日本にとって安全保障上の生命線」
「ジブチの協力なしでは自衛隊の活動は成立しない」
「邦人保護の観点からも重要な存在だ」
「中国など他国の軍事拠点と競合する地域で日本も存在感を維持すべき」
「海賊対処だけでなく有事の際の展開拠点として位置付けられる」
ジブチ拠点の意義
ジブチはアジアと欧州を結ぶ海上交通の要衝アデン湾に面しており、2011年に海賊対処活動を目的に自衛隊の拠点が設置された。現在は約190人の自衛隊員が駐留しており、哨戒機の運用や艦艇の補給拠点として活用されている。
日本政府は2023年12月、邦人保護や輸送任務にも活用できるよう態勢を強化する方針を決定。中東情勢やアフリカでの治安悪化に備えた「多目的拠点」としての役割を明確化した。
周辺情勢と自衛隊の役割
ジブチは米国、中国、フランスなど多国籍軍が拠点を置く戦略的要衝であり、日本の自衛隊施設は各国の軍事活動が交錯する環境下にある。中国がジブチに初の海外基地を設けたことで、日本の安全保障上の重要性は一層高まった。
中谷氏はゲレ大統領との会談に先立ち、オマル外相やハッサン国防相代行とも会談。アデン湾での海賊対処を含め「地域の平和と安定に日本が貢献する」と強調した。防衛相のジブチ訪問は2019年の河野太郎氏以来であり、日本がアフリカ東部における安全保障関与を継続する意思を示した形だ。
今後の展望
日本は邦人保護の強化を念頭に、ジブチ拠点をさらに整備する方向にある。特に台湾有事や紅海の緊張が高まった際の拠点として、政府内では重要性が増している。
他国との競争環境において、日本が拠点を維持し続けるには現地政府との信頼関係が不可欠だ。今回の中谷氏の訪問は、協力姿勢を確認する「外交的布石」といえる。今後は自衛隊の運用能力拡大に加え、ジブチとの経済協力やインフラ支援など「包括的パートナーシップ」へ発展する可能性もある。