2025-05-14 コメント投稿する ▼
米軍横田基地でPFAS汚染水問題、初の日本側立ち入り調査 浄化後の水質分析進行中
米軍横田基地でPFAS汚染水問題 日本側が初の立ち入り調査
東京都福生市などに位置する米軍横田基地で、発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)を含む水が昨年の豪雨で基地外に流出した疑いが浮上し、2025年5月14日、日本政府が初めて基地内に立ち入り調査を行った。この調査には防衛省、外務省、環境省、東京都の関係者らが参加し、浄化処理が施された水を採取。今後2週間程度で水質の詳細な分析を進める方針だ。
PFAS汚染水問題の経緯
米軍横田基地でのPFAS汚染水流出疑いは、昨年8月の記録的な豪雨によって発生した。米側の報告によれば、基地内の貯水池と消火訓練施設に保管されていた水があふれ、その一部が敷地外に流出した可能性があるという。この水にはPFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸)やPFOA(パーフルオロオクタン酸)といった健康リスクが指摘される化合物が含まれていた。
米軍は今回の調査で、基地内に残された約114万リットルの貯水池の水と、約38万リットルの消火訓練施設の水の存在を確認。さらに、水中のPFOSおよびPFOAの濃度は1リットルあたり計約1240ナノグラム(ナノは10億分の1)と報告された。米軍は、この水を粒状活性炭フィルターで浄化し、処理後に安全基準以下の濃度に下げる計画を明らかにしている。
日本側の初の立ち入り調査
今回の日本側の立ち入り調査は、日米地位協定に基づく環境補足協定を適用し、初めて横田基地内に入ったケースとなった。防衛省の説明では、これまでは沖縄の基地で同様の立ち入り調査が行われた例があるものの、東京都内の基地では初めてだという。
調査に参加した日本側は、米軍の説明に基づき浄化処理後の水を採取。2週間程度で水質を分析し、PFASの濃度を確認する予定だ。基準を超える濃度が確認された場合、さらなる浄化処理や対応が求められる可能性がある。
日米地位協定の見直し議論も浮上
今回の事態を受け、日米地位協定のあり方にも改めて注目が集まっている。横田基地のPFAS汚染水問題は、日米間の環境対応における協力の不十分さを露呈したとの指摘もある。
日本側は、基地外に流出する可能性がある汚染物質に関して、独自に監視や検査を行う権限を強化するべきだとの声も上がっている。
ネット上の反応
「やっと日本側が立ち入りできたけど、遅すぎる対応だと思う」
「PFASの濃度が高すぎる。浄化しても本当に大丈夫?」
「沖縄だけじゃなく、東京でも基地問題がある現実を改めて感じた」
「日米地位協定は見直すべき。日本の環境は日本が守るべきだ」
「健康被害が出る前に、もっと早く対応できたはず」
日本政府は今後も米軍と協力し、横田基地での水質管理を徹底する方針だが、今回の事態は日米の環境協力に対する課題も浮き彫りにした。浄化処理後の水の分析結果が公表されるまで、市民の不安は続くことになりそうだ。