2025-04-27 コメント投稿する ▼
次期国産戦闘機「F3烈風」誕生へ?防衛省が旧海軍名採用を検討、賛否分かれる
次期戦闘機の愛称に「烈風」案浮上 防衛省内で検討進む
防衛省は、日本、英国、イタリアの3カ国で共同開発を進めている航空自衛隊の次期戦闘機について、愛称として旧日本海軍の戦闘機名「烈風」を採用する方向で検討していることが27日、複数の政府関係者への取材で明らかになった。烈風は、太平洋戦争末期に零式艦上戦闘機(ゼロ戦)の後継機として計画されたものの、量産には至らなかった「幻の戦闘機」として知られる。防衛省高官らが秘密裏に協議を重ねており、今後の動向が注目される。
「F-3烈風」誕生なるか 開発進む次期国産戦闘機
次期戦闘機は、防衛省の内部規則に基づき「F3」という形式名称が付けられている。現行のF2戦闘機(国産開発)を引き継ぐ存在となり、2035年までの配備開始を目指している。愛称の「烈風」が加われば、「F3烈風」という呼称が正式に用いられる可能性が高まる。
防衛省では、航空機の名称に一定のルールを設けており、例えば戦闘機には「F」、輸送機には「C」の頭文字を採用し、開発順に数字を振る方式を取っている。ただし、旧軍機の名称使用に関しては明確な規定が存在しない。
「軍国主義」懸念も 賛否分かれる名称使用
烈風という名称に対しては、省内でも意見が割れている。支持派は「国産技術の継承と誇りを象徴する」と主張する一方で、慎重派は「軍国主義を想起させかねない」と懸念を示す。特に戦後日本の防衛政策が「専守防衛」を基本方針としてきた中で、旧日本軍に由来する名称を用いることが国内外に与える影響を危惧する声もある。
歴史を振り返ると、烈風は中島飛行機(現・SUBARUなどの前身)が開発を担当し、ゼロ戦を凌駕する高性能を目指した。しかし、戦局悪化や技術的課題により量産に至らず、数機の試作機を残して終戦を迎えた。この背景から、「烈風」は日本航空技術史の象徴的存在ともいえる。
共同開発進むGCAP 世界の競争激化の中で
日本・英国・イタリアの3カ国が共同開発している次期戦闘機計画は「GCAP(Global Combat Air Programme)」と呼ばれ、米国主導の第6世代戦闘機開発計画(NGAD)や欧州の「FCAS」などと並ぶ世界的な軍用航空技術競争の一角を担っている。
F3(仮称)ではステルス性能、超音速巡航能力、AI技術による高度な戦闘支援機能などが重視されており、次世代の航空自衛隊の主力となることが期待されている。日本がこの共同開発に参加する背景には、急速に軍事技術が進展する中で独自開発だけでは対応が困難になった現実と、国際協力によるコスト削減、技術確保の狙いがある。
- 防衛省が次期戦闘機の愛称に旧海軍戦闘機「烈風」使用を検討
- 正式名称は「F3」、愛称付与で「F3烈風」となる可能性
- 旧軍機名の使用に法的根拠なし、省内には賛否両論
- 日英伊の共同開発「GCAP」、2035年配備を目指す