2025-09-19 コメント投稿する ▼
沖縄で中谷元防衛相の「妨害」発言に県平和委員会が撤回と謝罪要求
防衛省はこれまで「災害派遣や地域行事を通じて国民に寄り添っている」と繰り返しており、自衛隊の社会的役割を強調しています。 抗議文は「発言を撤回し、沖縄県民に謝罪するように」と要求しています。 具体的には「抗議する住民を悪者扱いし、防衛省や自衛隊を被害者にすり替えている」と非難し、「詭弁そのものである」と強調しました。
防衛相の発言と背景
2025年9月19日、中谷元=現職防衛相は閣議後会見で、沖縄県内で続く抗議活動について「自衛隊への過度な抗議、妨害行為が続いており、大変遺憾だ」と述べました。
発言の背景には、宮古島での物資輸送訓練が抗議の影響で一部変更されたことや、沖縄市での「沖縄全島エイサーまつり」に自衛隊第15旅団エイサー隊が参加した際に一部団体から自粛要請があった事例があります。
中谷氏は「地元との交流を深めてきた自衛隊が参加できないのは残念だ」と表明しました。防衛省はこれまで「災害派遣や地域行事を通じて国民に寄り添っている」と繰り返しており、自衛隊の社会的役割を強調しています。
しかし沖縄では米軍基地や自衛隊配備が集中し、住民の不満や抗議活動が根強く存在してきました。この発言はその溝をさらに深める結果となりました。
県平和委員会の抗議文
9月20日、沖縄県平和委員会(上野郁子代表理事)は中谷防衛相に抗議文を送付しました。抗議文は「発言を撤回し、沖縄県民に謝罪するように」と要求しています。抗議文はさらに「主権者である国民の表現や集会の自由への重大な介入」と指摘し、中谷氏の言い方を「責任転嫁」だと批判しました。
具体的には「抗議する住民を悪者扱いし、防衛省や自衛隊を被害者にすり替えている」と非難し、「詭弁そのものである」と強調しました。また「敵意で返す態度は主権在民の冒瀆にあたる」と厳しい言葉で糾弾しています。
表現の自由と抗議活動の境界
今回の対立の焦点は「抗議活動をどこまで認めるか」という点です。憲法は国民に表現や集会の自由を保障しており、市民団体の活動はその権利に基づいています。一方、防衛省は訓練や業務が阻害されることを「妨害」と位置づけています。
しかしどのような理由があろうと、自衛隊の職務を妨害したり周囲の人々を危険に晒す行為は、市民活動として認められるはずがありません。それを表現の自由とすり替えれば「公共の福祉」は破壊されます。特に一部団体は「平和」という枕詞を用いれば何をしても許されると錯覚しているのではないかという批判も根強くあります。市民活動の名を借りて安全を脅かす行為は到底容認できず、社会全体の秩序と安全を損なうものです。
「防衛相は住民の声を抑えつけるような発言をしている」
「抗議は憲法が保障する当然の権利だ」
「自衛隊が地域交流を強調しても実際には負担が増している」
「責任を住民に押しつけるのはおかしい」
「国の説明不足が問題の根本だ」
こうした意見がある一方で、市民団体の行き過ぎた活動が危険を伴い、正当な抗議活動の枠を逸脱しているのも事実です。市民が自由を主張するなら、同時に他者の安全を脅かさない責任を負うべきです。
今後の課題と展望
今回のやり取りは、沖縄における安全保障政策の矛盾を示しています。政府は南西諸島防衛の強化を進めていますが、その負担は沖縄県民に集中しています。住民の抗議を「行き過ぎ」と表現することは対話を閉ざし緊張を悪化させかねませんが、同時に公共の安全を脅かす活動を「市民活動」と称して正当化することは認められません。
今後求められるのは、防衛省が住民に対して透明性のある説明を行い、正当な意見は尊重しつつも危険な妨害行為には毅然とした対応を取ることです。そうでなければ「国と県民の対立構図」は固定化し、さらなる不信と反発を生む可能性が高いといえます。