医療法改定案 可決──医師偏在是正と医療DXで問われる国の責任

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医療法改定案 可決──医師偏在是正と医療DXで問われる国の責任

この改定案は、地域ごとの医療提供体制の再構築(地域医療構想の見直し)、病床削減、医師偏在対策、そして医療のデジタル化(医療DX)を促進するものです。 改定案は、医療のデジタル化=医療DXも大きな柱としています。 また、改定案によって病床削減や医療機関の機能再編が進められる可能性があります。

医療提供体制と情報管理の大改革へ


医療法改定案、参院で可決──保険者負担と医療DXに懸念の声

地域医療構想見直しと医師偏在対策を軸に


2025年12月4日、参議院厚生労働委員会は、医療法の改定案を、自民・日本維新の会・立憲民主・国民民主・公明・参政の各党の賛成多数で可決しました。反対したのは日本共産党およびれいわ新選組。この改定案は、地域ごとの医療提供体制の再構築(地域医療構想の見直し)、病床削減、医師偏在対策、そして医療のデジタル化(医療DX)を促進するものです。

厚生労働省は、高齢化・人口減少を視野に、地域によって医療の質や量が偏らず、持続可能な医療提供体制を確保する必要があると説明しています。改定案では、都道府県が「医師を確保すべき重点区域」を定め、その区域で働く医師に対して手当を支給できるようにする仕組みを導入します。加えて、医療機関の機能分化や、外来・在宅医療、介護との連携も視野に入れた地域医療構想の再構築が目指されます。

保険者に負担を押し付ける構造に批判の声


これに対し、日本共産党の白川容子議員は、重点区域手当の財源が保険者(国民健康保険や健康保険組合など)からの拠出金になる点を問題視。そもそも地域医療の確保は国や都道府県の責務であり、保険者に財政的負担を転嫁するのは誤りだと指摘しました。

さらに白川氏は、政府が「保険料や給付費が増えないようにする」と言っている点を挙げ、「では診療報酬を下げるのか?」と追及。厚労省側は「現在検討中」と回答したにとどまりました。白川氏は、医師不足を解消するには手当だけでなく、医師養成数の増加が不可欠だと主張しました。

こうした構造では、保険料の値上げや医療の質低下、ひいては国民皆保険制度の綻びにつながりかねません。保険者に依存するモデルでは、地方での医療提供体制が維持できなくなるリスクを指摘する声もあります。

医療DXで個人情報の扱いはどうなるのか


改定案は、医療のデジタル化=医療DXも大きな柱としています。具体的には、国が保有する医療・介護関係のデータベース(DB)において、これまで「匿名化情報」のみとしてきたものを「仮名加工情報」として保存・提供できるようにします。さらに、異なるDB同士を連携し、個人を識別できない形での大規模な分析や研究が可能になります。

ただし、この仮名化情報は「他の情報と照合すれば個人が特定できる可能性がある」ため、情報の利活用をめぐってはプライバシーと個人の自己情報管理の観点から慎重な対応が求められます。白川氏は、仮名加工情報の利用にあたって本人同意を得るべきではないかと問い質しましたが、厚労省は「同意は不要」と答弁しました。これに対し白川氏は、国民や患者がその利用状況を知る手段がないとして、「自己情報コントロール権」の保障を求めました。

確かに、医療DXが進めば医療の効率化や質の向上、AI・研究開発への活用といったメリットが期待されます。一方で、個人情報の流出やプライバシー侵害、転用の懸念がぬぐえず、医療情報を扱うという性質から、慎重な議論が必要です。

地域医療縮小との懸念、住民参加の重要性


また、改定案によって病床削減や医療機関の機能再編が進められる可能性があります。特に人口が少なく、高齢化が進む地方では、現状ある医療機関や病床が削られ、地域住民の医療アクセスが弱まる懸念があります。実際に、ある地域では15あった急性期病院が、改定後に1〜2施設にまで減る試算も出ており、住民の医療環境にとって重大な影響が及ぶ恐れがあります。

白川氏は、こうした再編・集約化は「住民の納得と合意を得た上で進めるべき」と強く訴えました。特に地域医療の縮小は地元の医療を根本から変える問題であり、住民参加や透明性の確保が不可欠です。

国の責任と持続可能な医療のあり方を問う


今回の医療法改正は、今後の社会保障制度・医療体制を大きく左右するものです。医師偏在の是正や医療DXの推進は必要だと言えます。一方で、財源を保険者に頼る構造住民の納得なく進む医療機能の再編個人情報の扱いの不透明さなど、重大な課題を抱えています。国や自治体が主体となって医療を支えるべきところを、保険者や地域住民が負担を押し付けられる構造は、そもそもの責任のあり方を問うものです。

政府・厚労省は、今後都道府県ごとの地域医療構想の策定を進めるとしていますが、改めて問われるべきなのは「誰のための医療か」「どこまで国が責任を持つのか」です。私たち国民一人一人が、医療のあり方を見つめ直す必要があります。

医療法改定案可決で医師偏在是正と医療DXを進める一方、保険者負担や個人情報の扱い、地域医療縮小の懸念が強まっています。今後の地域医療の在り方と情報管理の透明性に注目が集まります。

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2025-12-05 11:31:50(S.ジジェク)

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