2025-06-04 コメント: 1件 ▼
「自殺対策基本法」改正案が可決へ 子どもの自殺防止へ社会全体で支援強化
子どもの自殺対策強化へ 自殺対策基本法改正案が可決、あす成立見通し
深刻化する子どもの自殺問題に対応するため、国会で「自殺対策基本法」の改正案が衆議院厚生労働委員会で可決された。6月5日の本会議でも成立する見込みだ。今回の改正では、子どもの命を守るために、学校や家庭だけでなく、地域や社会全体で支えていく仕組みが盛り込まれている。
過去最多の自殺者数 子どもの命に向き合う法改正
厚生労働省の発表によると、2023年に自殺した小中高校生の数は527人と過去最多を記録。背景には、学業への不安や家庭の事情、心の病など多岐にわたる要因が絡んでいるとされる。特に思春期の子どもたちはストレスや孤独を言葉でうまく表現できず、突発的に命を絶ってしまうケースも多い。
このような現状を受けて、改正案では「子どもの自殺対策を社会全体で取り組む」との基本姿勢が明記された。政府首脳や文部科学省、厚労省が関係機関と連携し、総合的な支援策を講じることが求められている。
学校現場にも支援の強化求める
改正案では、学校が果たす役割も明確化された。児童・生徒の心の健康を守るために、健康診断や保健指導などの取り組みを進めることが盛り込まれている。現場の教職員やスクールカウンセラーが、子どもたちの小さなサインを見逃さない体制づくりが急務となる。
また、地方自治体には、学校や医療機関、NPOなどの支援団体と連携して協議会を設けることが認められる。プライバシーに十分配慮しつつ、必要な情報を共有して、早期の支援につなげていく。
支援は本人だけでなく、遺族にも
自殺未遂者への継続的なケアや、遺族への生活支援も法改正の重要な柱の一つだ。突然の喪失に直面した家族が孤立しないよう、自治体が相談窓口を設置したり、必要に応じて医療や生活支援につなげる体制の構築が求められている。
この法案は、4月に参議院本会議で委員長提案として提出され、可決後に衆議院に送られた。そして6月4日、衆院厚労委で全会一致で可決されたことで、翌5日の本会議での成立が確実視されている。
ネットの声:「社会全体で守る姿勢こそ必要」
SNS上では法改正に対して多くの反応が寄せられている。
「子どもの自殺が増えているのは本当に心が痛む。社会全体で支えていかないと。」
「学校や家庭だけでなく、地域全体で子どもを見守る仕組みが必要だと思う。」
「法改正だけでなく、実際の支援体制の充実が求められる。」
「子どもが悩みを打ち明けられる環境づくりが大切。」
「自殺対策基本法の改正は一歩前進だが、これからが本番。」
制度から実行へ 「孤立させない」社会づくりがカギ
今回の法改正で、法的な枠組みは整備されつつあるが、実効性ある対策を講じるには、現場へのリソース配分と支援体制の具体化が不可欠である。教員や医療関係者、行政職員だけでなく、地域住民一人ひとりが「子どもを孤立させない」意識を持つことが、持続的な自殺予防につながる。
この法改正をきっかけに、子どもが心から「安心して生きていける」と感じられる社会をどう築いていくのかが問われている。