2025-05-27 コメント投稿する ▼
旧日本軍に徴用された外国籍元BC級戦犯、補償問題で山添拓氏が政府に対応を要請
外国籍の元戦犯に補償を──山添拓氏が国会で訴え
5月27日、参議院外交防衛委員会で日本共産党の山添拓議員が、旧日本軍に徴用された外国籍の元BC級戦犯の補償問題を取り上げた。山添氏は、戦中は「日本人」として戦争に駆り出され、戦後には戦犯として有罪判決を受けたにもかかわらず、援護措置の対象から外されている現状を「理不尽」とし、政府に姿勢の見直しを求めた。
「差別された上に補償なし」は理不尽
山添氏は、「日本の植民地支配のもとで日本人と扱われ、終戦後には裁かれた。なのに、国籍を理由に援護対象から外すのは差別ではないか」と質した。これに対し岩屋毅外相は、「大変なご苦労があったと思う」と一定の理解を示したものの、「これまでも道義的な観点で対応してきた」と述べ、現時点で新たな補償制度を設ける考えはないとした。
過去の外交文書でも補償への言及
山添氏はさらに、韓国政府が2005年に公開した日韓交渉時の文書に触れ、「日本側は1950年代の協議で『別途研究する』と発言していた」と明かした。外務省もこの点について、「日韓請求権協定には元BC級戦犯への補償は明記されていない」と認めている。
山添氏は、「靖国神社には朝鮮半島や台湾出身の戦没者も合祀されている。戦争では日本人と同じように動員し、死後は合祀するのに、生き残った人には補償をしないのは不条理だ」と強調。日韓国交正常化から60年、そして戦後80年という節目の今年こそ、前向きな対応が必要だと主張した。
市民団体も法整備を要望
今年2月には、戦後補償問題に取り組む団体が共産党に対して「外国籍元戦犯への補償に関する法律の制定」を求める要請書を提出した。同進会支援者のひとりは「日本の命令で戦争に行かされた人々に、国は何の責任も果たしていない」と訴えている。弁護士や研究者もこの問題に関心を寄せ、「補償は人道的にも必要」と語っている。
ネット上の反応
SNSでもこの問題に対して共感や提言の声が相次いでいる。
「戦争で利用され、戦後は切り捨てられた人々。補償すべき」
「日本の歴史の汚点。今こそ償うべき時だ」
「靖国に合祀するなら、日本人として扱うべき」
「いつまで『国籍』という壁で差別を続けるのか」
「補償だけでなく、学校教育でもちゃんと扱って」
国際社会からの視線も
韓国や台湾でも、この問題に対する関心は高まっている。今後、日本政府がどう対応するかは、日韓関係や東アジアの信頼構築にも影響しかねない。道義的責任だけでなく、法的・制度的な対応を求める声は一層強まりそうだ。