2025-05-23 コメント投稿する ▼
不登校35万人超えに共産党が提言 子どもの権利と安心できる支援制度とは
不登校が過去最多に 社会の構造的課題が背景に
いま日本の学校現場で、不登校の子どもが増え続けている。文部科学省の最新データでは、小中学生の不登校が約35万人に達し、過去最多となった。わずか10年で3倍近くに膨らんだ背景には、子どもたちを取り巻く学校や社会の環境が関係している。
子どもたちは、学校での過剰な競争や管理、家庭や社会の期待、SNSによる人間関係の複雑化など、さまざまなプレッシャーを抱えている。「行きたくても行けない」現実に直面するなかで、ただ登校を促すだけでは問題は解決しない。
共産党が独自の政策提言 “子どもが主役の支援”を
こうした状況に対し、日本共産党は23日、国会内で記者会見を開き、不登校の子どもたちへの支援に特化した政策提言を初めて発表した。提言の柱は、「子どもも親も安心できる支援」と「子どもが自ら通いたくなる学校への改革」だ。
発表した山添拓政策委員長は、「不登校を特別なことと捉えるのではなく、子ども一人ひとりが尊重される環境づくりが必要」と語った。また、吉良よし子副委員長は、子ども・保護者・教員・フリースクール関係者らとの1年にわたる聞き取りを経て、現場の声を反映したと説明した。
提言では、親の生活支援にも触れ、不登校が理由での離職や減収に対応する「不登校休業制度」や、出欠連絡の簡素化、交通費やフリースクール費用の補助などが盛り込まれている。
求められる教育の見直し 管理と競争からの脱却
提言の背景には、2006年の教育基本法改定以降、国による教育への関与が強まり、学校の「管理と競争」が加速したという問題意識がある。吉良氏は、「教育は人を育てる営みであって、点数を競わせる場ではない」と語り、全国学力テストの廃止や校則の見直し、教員の労働環境改善も求めた。
子どもたちの居場所として、フリースクールや図書館、児童館の整備、特例校の拡充にも重点が置かれた。提言は、不登校を「異常な状態」とみなすのではなく、「休むことも大切な選択」ととらえる価値観の転換を促している。
ネットでは賛否両論 “共感”と“違和感”の声も
X(旧Twitter)やThreadsなどのSNSでは、この提言に対するさまざまな反応が寄せられている。
「やっと“子ども側の視点”から語る政党が出てきた。遅すぎるくらい」
「学力テストがなくなったら現場の指導はどうなるのか?現実的でない気もする」
「学校に行けないことを“問題”と決めつけるのは、もう時代遅れだと思う」
「フリースクールがもっと身近になるような支援策はありがたい」
「一方で、教育の質の担保はどうするのかも議論してほしい」
子どもたちを中心に据えた教育政策が模索されるなか、今回の提言はその一つの試みとして注目されている。求められているのは、机上の改革ではなく、現場の声に耳を傾けた具体的な支援策の実現だ。